医薬品・化粧品印刷包材製造 朝日印刷 【3951・スタンダード市場】

参入障壁が高い医薬品・化粧品の印刷包材で国内トップ
富山からマレーシアへ、ASEAN起点に世界展開狙う

創業150年超で富山本拠の朝日印刷は、医薬品・化粧品の印刷包材事業を展開する企業だ。医薬品のパッケージは薬機法などで厳しい基準が設けられており、参入障壁が高い市場となる。同社は長年培った信頼と品質を武器に、医薬品包材・化粧品包材ともに国内トップシェアを獲得する。2019年以降はマレーシアに進出し、海外展開も推進。同国では新工場も建設中で、ASEANを中心に海外売上の拡大を図る。
朝日印刷-朝日 重紀

朝日 重紀(あさひ しげのり)

社長

1977年生まれ、富山県出身。2001年朝日印刷入社。10年取締役生産本部長・情報システム室担当、11年常務取締役生産本部長・情報システム室担当、14年専務取締役企画開発本部長・海外事業開発室担当、17年専務取締役営業本部長、20年代表取締役副社長を経て、21年代表取締役社長に就任(現任)。海外子会社3社のDirector兼任(現任)。

品質管理体制と技術力に強み
大手製薬会社の9割と取引

長年の実績で
幅広い顧客から支持

医薬品や化粧品を包むパッケージは、それ自体も製品の一部として扱われるため、高い品質が要求される。朝日印刷は、こうした包材製造で長年国内首位を誇る企業だ。

2024年3月期売上高(418億7100万円)をセグメント別にみると、92・5%は印刷包材事業が占め、6・3%は包装システム販売事業、1・2%は人材派遣事業となる。

主力の印刷包材事業では、パッケージデザイン、箱の形状の企画・設計、印刷、加工、検査を行っている。扱うパッケージは、医薬品向けが7割、化粧品向けが2割、健康食品向けが1割。医薬品包材市場における国内シェアは39・6%、化粧品包材では27・4%と、いずれもトップを獲得している。

主要顧客は製薬・化粧品会社で、製薬会社においてはトップ100社のうち90%と取引がある。また取引先は幅広く分布しており、一番の得意先でも全体の売上における割合は4%と、依存度が低い点は同社の強みでもある。

医薬品パッケージでは、ドラッグストアなどで販売される風邪薬などのOTC医薬品と、病院や調剤薬局で薬剤師が扱う医療用医薬品のパッケージを製造。また箱に同梱される添付文書や、栄養ドリンクや薬瓶などに貼るラベルも取り扱う。化粧品パッケージでは、ドラッグストアやデパートで扱っている化粧品向けに、高加飾で意匠性の高いパッケージを製造している。

有料会員限定

続きを閲覧するには会員登録が必要です。
すでに会員の方は
ログインして閲覧してください。

ログイン SEARCH