2期連続業績最高更新を見込む
EV車向け部品や材料にも注力
フェローテックホールディングスは、半導体向け製造装置関連部品や電子デバイス製品を開発・製造している。装置や材料、半導体製造の際に使用する消耗品も手掛けており、真空シールの世界シェアは6割を占める。セグメント別売上高構成比は、半導体等装置関連61%、電子デバイス20%、セラミックなどの材料がその他18%となっている。
2022年3月期は、活況な半導体市況を背景に過去最高業績を更新した。売上高が1338億2100万円(前期比46・6%増)、営業利益は226億円(同134・4%増)。半導体需要に合わせ、中国拠点などでスピーディーに生産体制を増強した施策が奏功した。2023年3月期業績予想は昨年11月に売上高以下全項目を上方修正。連結売上高が期初計画の1800億円→2000億円(前期比49・5%増)、営業利益は300億円→340億円(同50・4%増)と2桁増収増益を見通す。2期連続過去最高業績を更新予定である。※尚、本年2月には経常利益を期初計画の280億円→400億円、当期純利益を170億円→250億円に上方修正している。
一方で、半導体市況は4年周期と言われており、WSTS(世界半導体市場統計)は2023年半導体市場が4年ぶり4・1%縮小との予想を発表した。この状況を賀社長はどのように捉えているのか。
「昨年の中盤あたりから世界的にPC・スマホの販売が低迷し、メモリ系(スマホやパソコンのデータを保存する半導体)の価格下落傾向が続き需要調整局面に入りました。また、昨年10 月に米国の中国への半導体製造装置の輸出規制強化もあり、半導体製造装置の設備投資も2023年上期(1~6月)は弱含みを予想します。ただ、ロジック系データ処理や機器の制御をする半導体)の需要は堅調に推移しております。在庫調整正常化のタイミングにもよりますが、下期(7~12月)以降には全体的に徐々に回復する見通し、2024年は再びプラス10%程度の成長を予測しております」(賀賢漢代表取締役社長)
この局面には、事業ポートフォリオ強化で対応するとする。非半導体製造装置の電子デバイス事業に注力。同事業の売上高比率は21年3月期19%から、23年3月期(予想)25%へと順調に拡大している。
「EV車に使われるパワー半導体用絶縁基板や、サーモモジュールの販売が好調です。また、昨年7月より東洋刃物(工業用刃物)を子会社化、大泉製作所(サーミスタ・温度センサー)を51%出資・連結化しました。2024年度3月期からフルに業績に入るので、プラスが期待されます」(同氏)
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