制御・計測・検査装置製造 ニレコ 【6863・スタンダード市場】

半導体と二次電池分野が好調に推移
制御機メーカーから光学関連企業へ転換進む

2024年3月、ニレコでは1996年以来28年ぶりに株価が2000円台を突破した。同社が再評価されている背景に、半導体分野で活用される高精度な結晶加工技術による光学部品や、レーザ光源装置、レーザ加工用装置がある。同社では制御・計測・検査技術を軸に、さまざまな産業の製造工程で使われる装置・部品を製造。従来の金属、印刷、フィルムから、近年は食品、半導体、二次電池へと分野を拡大。検査・光学関連事業が成長ドライバーとなった今、転換期を迎えつつある。
ニレコ-中杉 真一

中杉 真一(なかすぎ しんいち)

社長

1990年、三菱商事入社。2010年に菱商(上海)貿易有限公司に出向し総経理(社長)就任。18年コイケ代表取締役社長就任。21年にニレコ経営戦略室長、22年取締役執行役員経営戦略部門長を経て、23年代表取締役社長に就任、最高経営責任者(CEO)を委嘱(現任)。

ニレコでは幅広い産業の製造工程で使われる制御・計測・検査装置の、研究開発・製造・販売を行う。セグメントは、売上高の26%を占める「プロセス事業」、同31%の「ウェブ事業」、同17%の「検査機事業」、同19%の「オプティクス事業」の4事業で構成される(2024年3月期)。

プロセス事業では鉄鋼・非鉄金属業の生産ラインの自動制御装置を扱っている。国内に同業はほぼおらず、国内シェア80%超の製品も持つ。

ウェブ事業では、液晶パネルの樹脂シートや紙・包装フィルムなど、シート状素材(ウェブ)の印刷過程で生じるズレやたるみを計測・制御する装置を扱う。同事業もニッチ分野であり、国内シェアは50%超の製品を抱えている。

検査機事業では画像処理技術をベースに、農産物の選果装置など、人間の目では認識困難な傷・汚れを高速かつ高分解能で検査する装置を扱う。近年ではリチウムや車載用など、より高度な技術が求められる次世代蓄電池に用いられるフィルム向け検査装置の受注が拡大している。

オプティクス事業の売上はグループ会社の光学技研によるものが中心で、同社では光学結晶の研磨加工を中心に、高精度加工を必要とする光学部品を提供している。またニレコ本体では半導体検査装置用レーザ光源装置、レーザ加工用装置、医療診断装置用光源装置など、先端分野の装置を扱っている。

「オプティクス・検査機事業が成長ドライバーとなり、光学関連の会社へと転換期を迎えつつあります。一方でプロセス・ウェブ事業は当社を支える安定的な収入源です。数十年前の製品の更新や改善も多く、ストックの一面もあります」(中杉真一社長)

25年3月期業績予想は、売上高が前期比1・4%増の100億円、営業利益は同13・5%減の12億円を見通している。

有料会員限定

続きを閲覧するには会員登録が必要です。
すでに会員の方は
ログインして閲覧してください。

ログイン 会員登録 SEARCH