アジア15カ国でSNSマーケティング、EC運営支援展開 AnyMind Group 【5027・グロース市場】

創業8年で売上500億円弱、年平均成長率は50%
成長の起爆剤はスピーディーな事業・商圏拡大戦略

アジア圏でマーケティングやECサイト運営支援、クリエイターの支援事業などを展開するAnyMind Group。創業から8年で15カ国に進出し、従業員は1900人弱を擁する。2024年12月期通期は、当初の業績予想を大幅に上方修正。売上収益は前期比46・8%増の491億900万円、営業利益は同221・1%増の24億円を予定する。成長のカギは、平均年齢が若い成長市場のアジアを舞台に、伸びしろのあるインターネット関連事業を横展開する戦略だ。クライアントの声を聴き、M&Aなどを通じてニーズのある新プロダクトを次々と立ち上げた。全拠点・事業を統括し、成長をけん引する十河宏輔社長に話を聞いた。
AnyMind Group-十河 宏輔

十河 宏輔(そごう こうすけ)

代表取締役CEO

2016年にシンガポールでAnyMind Groupを設立。23年、東証グロース市場へ上場。

今期業績予想を2度上方修正
成長市場・事業へ電撃展開

同社はアジアを中心に、インターネットやSNSを使ったマーケティングやECサイト(電子商市場)運営支援、YouTuberをはじめとしたクリエイターの収益化支援などを行う企業だ。

創業以来50%前後という年平均成長率で業績を拡大しており、2023年12月期の売上収益は前期比35・0%増の334億6000万円、営業利益は同2353・5%増の7億4700万円となった。24年12月期も好調が続いており、通期業績予想を2度上方修正。売上収益は前期比46・8%増の491億900万円、営業利益は同221・1%増の24億円を予定する。

急成長の主因は、スピード感を持って伸びしろの大きい市場・事業に進出した点だ。同社が現在事業展開をするアジアの人口は、合計すると37億人を超える巨大市場となる。また平均年齢は若く、かつインターネット利用率が高い。一方で、国によって言語や商習慣、商品に課す規制などが異なる上、各国にECサイトが乱立している。そのため、例えば日本企業などの海外勢がインターネットを使って商品を宣伝したり販売したりするのは、ポテンシャルは大きい一方で参入障壁が高い側面もある。

16年に創業した同社は、こうした企業のニーズを解決する関連事業を次々と開始。M&Aなども活用しながら、会社の規模を急速に拡大させた。

また創業地はシンガポールだが、同年にはタイ・ベトナム・インドネシア・台湾に拠点を開設。その後も商圏を広げ、現在は15カ国に24拠点を持つ。24年12月期第3四半期における地域別売上収益構成比は日本・韓国が38%、東南アジアが45%、中華圏・インドが18%となった(下図参照)。

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