テクノスマート 【6246・スタンダード市場】

創業100年超の塗工・乾燥装置メーカー
成長投資でEVリチウムイオン電池市場向け強化

テクノスマートは、製造業向け塗工・乾燥装置の設計・製造・販売を行っている。創業100年超の歴史を有し、現在は液晶テレビやスマートフォン用の光学フィルムを始め、様々な製品の塗工と乾燥に関するソリューションを提供する。一方で、同社はリチウムイオン電池の電極材の塗工装置も手掛ける。今後、電気自動車(EV)での用途の広がりが期待されることから、同社でも長期的な成長に向けた展開を強化する。中期経営計画では2028年3月期売上高240億円、営業利益28億円を目指す。
テクノスマート-柳井 正巳

柳井 正巳(やない まさみ)

会長

1953年12月26日生まれ、山口県出身。72年山口県立萩工業高(現萩商工高)機械科卒、テクノスマート入社。2014年取締役、16年常務取締役、19年代表取締役社長。24年4月1日付で代表取締役会長に就任。

フィルム等にミクロン単位で
特殊な液体でコーティング

同社が提供する塗工・乾燥装置は、フィルムや金属箔、紙などの薄いシート(基材)にミクロン(千分の一ミリ)単位で連続して均一に特殊な液体を塗り、乾燥させて新しい付加価値を加える装置だ。「塗る」「乾かす」「巻き出す・巻き取る」機能を備えた装置をすべて自社で製造し、顧客のニーズに合わせた最適な生産ラインを設計・構築する。

同社の塗工機を使って作られる最終製品は、液晶テレビやスマートフォン、生活に身近な粘着テープ、不織布(おむつ等)など多岐にわたる。例えばタブレット端末のタッチパネルには表面保護のハードコートフィルムや電気を通す透明なITO層などが使われており、それらフィルムの製造に同社の装置が使用されている。

セグメントは大きく5つに分かれる。売上比率37・6%を占める「ディスプレイ部品関連機器」と、売上比率20・5%の「機能性フィルム関連塗工機器」の2つが事業のメインだ。ディスプレイでは大型投資が続いており、国内でも設備更新の需要が堅調であることから、安定した成長が見込まれている。

また、売上比率24・1%を占めるのが「エネルギー関連」。2年ほど前には15・1%であり、近年大きく成長している。電気自動車(EV)用リチウムイオン電池向け塗工機などを手掛け、今後の成長が見込まれる。
「これから特に注力していくのがEV用リチウムイオン電池市場です。脱炭素の流れに合ってガソリン車からEVに置き換わっていくのは間違いない。2030~35年ごろまで大きな投資が続くと言われており、当社もこの流れに乗っていきたい」(柳井正巳会長)

有料会員限定

続きを閲覧するには会員登録が必要です。
すでに会員の方は
ログインして閲覧してください。

ログイン 会員登録 SEARCH