フィルム等にミクロン単位で
特殊な液体でコーティング
同社が提供する塗工・乾燥装置は、フィルムや金属箔、紙などの薄いシート(基材)にミクロン(千分の一ミリ)単位で連続して均一に特殊な液体を塗り、乾燥させて新しい付加価値を加える装置だ。「塗る」「乾かす」「巻き出す・巻き取る」機能を備えた装置をすべて自社で製造し、顧客のニーズに合わせた最適な生産ラインを設計・構築する。
同社の塗工機を使って作られる最終製品は、液晶テレビやスマートフォン、生活に身近な粘着テープ、不織布(おむつ等)など多岐にわたる。例えばタブレット端末のタッチパネルには表面保護のハードコートフィルムや電気を通す透明なITO層などが使われており、それらフィルムの製造に同社の装置が使用されている。
セグメントは大きく5つに分かれる。売上比率37・6%を占める「ディスプレイ部品関連機器」と、売上比率20・5%の「機能性フィルム関連塗工機器」の2つが事業のメインだ。ディスプレイでは大型投資が続いており、国内でも設備更新の需要が堅調であることから、安定した成長が見込まれている。
また、売上比率24・1%を占めるのが「エネルギー関連」。2年ほど前には15・1%であり、近年大きく成長している。電気自動車(EV)用リチウムイオン電池向け塗工機などを手掛け、今後の成長が見込まれる。
「これから特に注力していくのがEV用リチウムイオン電池市場です。脱炭素の流れに合ってガソリン車からEVに置き換わっていくのは間違いない。2030~35年ごろまで大きな投資が続くと言われており、当社もこの流れに乗っていきたい」(柳井正巳会長)
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