横浜冷凍 【2874・プライム市場】

冷蔵倉庫と食品販売の両輪で着実に成長
ノルウェーサーモンの安定供給で販路拡大

横浜冷凍は「ヨコレイ」の愛称で知られ、創業から70年以上にわたり、冷蔵倉庫事業と食品販売事業の2事業を展開してきた。同社では現在、2023年を最終年度とする中期経営計画「創る力」を推進。20年に就任した松原弘幸社長のもと、事業モデルの改革に挑んでいる。23年9月期には「連結売上高1200億円」「連結営業利益50億円」「EBITDA110億円」「自己資本比率40%台半ばを維持」の定量目標達成を目指す。
横浜冷凍-松原 弘幸

松原 弘幸(まつばら ひろゆき)

社長

1955年10月生まれ、東京都出身。79年、横浜冷凍入社。2003年、石狩物流センター所長。11年、執行役員総務部長。13年、取締役管理本部長、内部統制、コンプライアンス、関係会社管理担当。18年、取締役管理本部長、関係会社管理担当。19年12月、代表取締役社長、管理本部長、中期経営計画推進委員長に就任。21年代表取締役社長(現任)。

第3四半期は利益49・8%増
通期目標達成にメド

同社の売上構成比は冷蔵倉庫が26・7%、食品販売が73・3%。食品販売で売上を、冷蔵倉庫で利益を担うビジネスモデルで長年展開してきた。

冷蔵倉庫事業では、港湾や道路・産地・消費地など、食品供給の要衝に冷蔵倉庫を建設。国内49拠点、タイ5拠点で、100万トン超の収容能力を有する。業界では最大手のニチレイに、同社とマルハニチロ物流が追随している形である。

食品販売事業では、国内・海外子会社において、水産品を中心に農畜産品の加工・販売・輸出入を行なっている。

強みは、国内外の商品ニーズに的確に対応する調達力だ。北欧や東南アジア・北南米・豪州など各地でネットワークを構築し、何千トン単位で農畜水産物を調達するほか、国産品の輸出も行なう。また上場企業では珍しく、気仙沼や長崎などの水揚げ港での買参権を持っており、毎日競りで水産品を調達。買い付け・凍結・保管・販売だけでなく、海外で製品化して逆輸入するなど、多角的に事業を展開している。

22年9月期第3四半期決算は、売上高845億3100万円(前期比1・8%増)、営業利益35億8700万円(同49・8%増)で着地した。利益の大幅増の一因には食品販売事業の黒字化がある。

「以前はブローカー業に特化していたため、相場による波がありました。20年以降、在庫コントロール化をはじめとした販売体制の再構築、子会社の吸収合併による組織改編、社員の意識改革を行なってきた。就任2年目で芽が出始め、3年目の今年、取り組みが成果を出し、数字に表れてきました」(松原弘幸社長)

有料会員限定

続きを閲覧するには会員登録が必要です。
すでに会員の方は
ログインして閲覧してください。

ログイン 会員登録 SEARCH