売上の8割がオリジナル商品
高品質かつ低価格を追求
同社が自社のオンラインショップで販売するのは、洗面ボウルやシステムキッチン、建具、タイルなど住宅設備機器・建築資材の約6000アイテム(2022年9月期末時点)。また売上高に占める約8割が同サイトでしか入手できない自社開発商品や、国内で独占的に販売する海外輸入品である。
強みはオリジナル商品が多いため価格競争に巻き込まれず、また中間業者を通さないことで高品質でありながら低価格で提供できることだ。さらに誰でも同一条件・同一価格で購入できる業界初の「ワンプライス」を実現しており、売上高ベースでは約8割が設計事務所・ゼネコン・工務店など法人だが、顧客数では法人が約6割、個人が約4割を占める。
「ビジネスモデルとしては工具業界のモノタロウに近いですが、それが建設設備建材だとサンワ、という位置づけです」(山根太郎社長)
21年度の住宅設備建材市場は4兆5700憶円(※1)、建設市場全体まで入れると17・4兆円(※2)と大きいが、山根社長は「参入障壁は非常に高い」と話す。
「大手メーカーの場合、既存の流通網がしっかりしていてBtoCへの切り替えは難しい。またシンクが右か左かなど選択肢が多く、それを1つずつ設計検証するうえ、企画・開発・製品化してから市場に投入し収益貢献するのに4年とスパンが長い。ベンチャーだとキャッシュが持たない。アマゾンなど巨大企業がITの力で入ろうとしても、現場で組み立てるネットワークや物流のやり取りまでを仕切るのは厳しいでしょう」(同氏)
サンワカンパニーの22年9月期通期の連結売上高は前期比17・7%増の132億5700万円、営業利益は同247・2%増の9億5500万円と過去最高益だった(※3)。コロナ禍で在宅時間が増え、住空間を改善したいという需要をWEB広告や既存顧客への購入促進策などによってうまく取り込み、大きく成長している。
※1:富士経済「2022年版 住設建材マーケティング便覧」 ※2:同社資料より ※3:非連結決算、収益認識基準適用前の業績と比較
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