デザイン性重視した商品づくり
大手や中堅他社と差別化図る
SANEIの25年3月期第2四半期決算は、売上高135億8100万円(前期比3・1%増)、営業利益は6億6200万円(同10・8%減)となった。販売価格改定の浸透や高付加価値製品が好調だったことで収益が確保された。一方、為替変動による原材料の仕入価格が高騰したことや販売管理費が一時的に増加したことで、減益となった。
同社は後発メーカーのため、国内は大手や中堅企業との差別化を図るべく、デザイン性を重視した商品づくりを行ってきた。
製品の約9割を占めているのが住宅向けだ。3000万~4000万円の住宅向けの商品をスタンダード領域、その上位グレードである5000万~1億円の住宅向け商品をベスト(住宅2次取得者向け)とカジュアル(住宅1次取得者向け)領域に分類。ボリュームゾーンであるスタンダード領域はノーブランドで展開し、中間価格帯のベスト及びカジュアルでは「SUTTO」など10以上の製品ブランドを展開する。近年はそれらが住宅やホテル、商業施設への提供につながり、今では強みとなっている。また高級ホテルの特別室やスイートルーム、高級住宅を対象とするラグジュアリー領域においても、今後商品開発を強化する。
同社が意識している競合はドイツのグローエ、ドンブラハなどの海外メーカーだ。また、国内は大手のTOTOやLIXIL、中堅のKVKなどが競合となる。
「大手は一般市場を、中堅他社はOEMで住設メーカーをがっちり掴んでいるので当社は入る余地がなかった。だから設計者と話し合いをして、例えばマンションならコンセプトに合った提案をするという1つの大きな形ができました。私たちは寿司屋さんと同じで一品一様、十人十色の『生きる』に寄り添い、歓びを提供できる存在感のある商品開発を行っています」(西岡利明社長)
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