大興電子通信 【8023・スタンダード市場】

企業のICT化をトータルサポートするSIer
従業員満足度向上と事業構造改革で利益が倍増

大興電子通信は、富士通の大手パートナーとして情報通信機器の販売及び、工事、保守、システム開発を手掛けるシステムインテグレータだ。同社は2022年の創立70周年に向けて、中期経営計画「D’sWAY」を推進。これまで取り組んできた構造改革と体質改善により、業績は増収増益基調へ転じ、自己資本比率も目標の30%を早期に達成した。具体的な取り組みについて松山晃一郎社長に聞いた。
大興電子通信-松山晃一郎

松山晃一郎(まつやま こういちろう)

社長

1965年11月生まれ。88年近畿大商経卒、大興電子通信入社。2004年流通営業部長、09年関西支店長、12年公共システム本部副本部長、13年執行役員公共ビジネス統括本部長、15年上席執行役員CCOコーポレート本部長などを経て、16年代表取締役社長COO経営革新本部長。18年代表取締役社長CEO兼COO(現任)。

顧客2万社の強固な事業基盤
業務のパッケージ化に強み

大興電子通信は、システム構築からハードウェアの保守まで一貫体制で企業のICT化をサポートしている。取引先は、製造業、流通・サービス業を中心に累計2万社を超える。既存顧客からのリピート受注が9割に及び、なかには50年以上続く取引先もある。長年の直接取引で強固な事業基盤を築いてきた。また2800社を超すパートナー企業との連携で、コンサルから保守運用までワンストップでの提供を実現している。

事業部門は、メーカーのOA・通信機器を販売する「情報通信機器」部門と、システム開発、保守、工事などを行う「ソリューションサービス」部門の2つ。うち売上の7割以上を担う現在の主力は、後者のソリューションサービス部門だ。同部門をさらに細かくみると、企業の要望に合ったシステム・ソフトウェアを開発する「ソフトウェアサービス」が総売上高の半分を占める。

同社が得意とするのは、複雑な業務や生産工程をテンプレート化し、自社ソリューションとしてパッケージ化することだ。取扱製品は、国内シェアNo.1の個別受注生産管理システム「rBOM」をはじめ、小売業向け販売管理システム「RetailFocus」、クラウド型情報配信ソリューション「i─Compass」など、業務特化型の製品を多数ラインアップ。そのほか漁業協同組合向け販売・購買支援システム「FCAP」など、ニッチなソリューション開発にも注力する。

「FCAPは長崎県を中心に導入・拡販を進めています。水産資源確保のため魚がどこで何本上がったという情報が取られていますが、なかなかデジタル化できていない。こういった分野も今後狙っていけると思います」(松山晃一郎社長)

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