消防車のトップメーカー モリタホールディングス 【6455・プライム市場】

今期売上1000億円へ、過去最高更新の見通し
海外展開や第2の柱「防災事業」を強化

モリタホールディングスは、ポンプ車やはしご車など消防車の開発・製造・販売を手掛け、国内シェアは約6割(同社調べ)を占めるトップメーカーだ。2016年にはフィンランドの消防車メーカーを子会社化して海外展開を強化している。第2の柱である防災事業や、産業機械事業、環境車輌事業も順調に推移。25年3月期は売上高1000億円、営業利益100億円と過去最高を更新する見通しだ。
モリタホールディングス-金岡 真一

金岡 真一(かなおか しんいち)

社長

1959年8月生まれ、兵庫県出身。82年関西大学法学部卒業後、森田ポンプ(現モリタホールディングス)に入社。2010年執行役員、17年常務執行役員、18年取締役執行役員、19年取締役執行役員経理・情報管理本部長、20年取締役常務執行役員経理・情報管理本部長に就任。22年代表取締役社長執行役員に就任(現任)。

ポンプ車やはしご車など
幅広い消防車を開発・製造・販売

モリタホールディングスは、モリタを中核子会社とする持株会社。全体としては、連結子会社13社、持分法適用会社2社、その他グループ会社5社を形成する。事業セグメントは、「消防車輌事業」「防災事業」「産業機械事業」「環境車輌事業」の4つから成る。

売上比率57%を占める消防車輌事業は、消防ポンプ車やはしご車、化学車、救助工作車など幅広い消防車を開発・製造・販売する。同事業の主軸である国内では、トラックメーカーなどから供給される車台(シャシ)に、ユーザーのニーズに応じた装備を架装して消防車に仕上げる。

ユーザー比率は、地方自治体が約9割、残りはコンビナートや工場などの民間企業などとなっている。消防車の国内市場は約1000億円とされ、市場はほぼ充足状態。基本的に更新需要となっている。

「現在のシェアをさらに向上するとともに、例えば省力化や軽量化といった、新たな技術を盛り込んだ消防車を投入して新しい市場を作り出しています。民間分野では例えば電力会社や原発向けの事業者などに向けて注力しています」(金岡真一社長)

第2の柱である防災事業は売上の25%を占める。消火器などの防災機器の開発・製造・販売、消火設備の設計・施工を行う。消火器の国内シェアは36%を占める(同社調べ)。

産業機械事業は、金属スクラップの各種処理機械を開発・製造・販売する。切断機はシェア74%を占める(同社調べ)。

環境車輌事業は、衛生車や塵芥車、特装車を開発・製造・販売する。主力の衛生車はシェア85%を占める(同社調べ)。
 2024年3月期には、売上高952億500万円、営業利益94億5300万円を上げた。

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