T.S.I 【7362・グロース市場】

京都発、終末期支援のサ高住でマザ上場
建築~運営のドミナント戦略で全国展開へ

京都に本社を構えるT.S.I(7362)は、サービス付き高齢者向け住宅(以下サ高住)24棟746室を運営している(2021年6月現在)。同社は、2021年3月に東証マザーズに上場。公募価格2000円に対し4000円の初値をつけた。今後はIPOによる信用力とブランド力向上で全国展開を進めており、2030年までに全国150棟を目標とする。
T.S.I-北山 忠雄

北山 忠雄(きたやま ただお)

社長

1954年9月生まれ、京都府出身。京都府立嵯峨野高等学校卒業。82年きたやま工芸(自営)。85年デイム入社、翌年4月に同社取締役。92年嵯峨野不動産入社。94年エルハウジング代表取締役社長。95年北山住宅販売設立、代表取締役社長(現任)。97年北山コーポレーション設立、取締役。2007年智理積設立、取締役。10年T.S.I設立、代表取締役社長に就任(現任)。

介護特化型を運営
看取り率は平均上回る30%

同社の社名T.S.Iは、Terminalcare Support Instituteの略で、終末期ケアの支援機関を意味する。 

サ高住は、高齢者施設である有料老人ホームとは異なり、利用者が賃貸借契約を結び入居する賃貸住宅だ。サ高住でも、自立度が高い人向けの一般型、重度の人向けの医療型など様々な形態があるが、同社の「アンジェス」は、要支援2から要介護5までの高齢者を対象に介護特化型の運営を行っている。

「サ高住は施設でなくご自宅なんです。昔はご自宅で最期を迎えるのが一般的でした。だから病院で亡くなるのではなく、終の住処として選んでいただけるのが1番いいと思います。我々のサ高住で亡くなる方がたくさん出るというのは、我々にとって勲章だと思っています」(北山忠雄社長)

アンジェスの1階事務所には、訪問介護事業所と居宅介護支援事業所を併設しており、住まい・食事の提供及び安否確認やレクレーションなどの生活支援サービスに加え、訪問介護と居宅介護支援のサービスを入居者に提供している。スタッフは24時間365日体制で常駐しており、最期の看取りまで対応を行う。サ高住の全国平均看取り率が22・4%に対し、アンジェスの2020年12月期の看取り率は30・4%と平均よりも高い。

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