12期連続増収増益、上場来連続増配中 直接受注率80%が高収益支える デジタル・インフォメーション・テクノロジー 【3916・プライム市場】

主力売上8割が大手15社から 直請け比率の高さに強み

 デジタル・インフォメーション・テクノロジー(DIT)は、12期連続の増収増益を更新。年間配当は2015年上場以来増配を続けている。22年6月期は売上高161億5600万円(前期比11.9%増)、営業利益20億400万円(同16.4%増)と2桁増収増益を達成。今期も2桁増収増益・増配を見通す。DX化の潮流が続き安定成長が見込まれる中、主力のシステム開発とセキュリティ・業務自動化(RPA)関連の自社商品群強化でさらなる利益拡大を狙う。
デジタル・インフォメーション・テクノロジー-市川 聡

市川 聡(いちかわ さとし)

社長

1972年4月生まれ。2004年、東洋アイティーホールディングス(現デジタル・インフォメーション・テクノロジー)入社。07年、同社執行役員経営企画本部経営企画部長就任。14年、常務取締役執行役員事業本部長兼事業本部エンベデッドソリューションカンパニー社長就任などを経て、18年、同社代表取締役社長就任(現任)。

主力売上8割が大手15社から
直請け比率の高さに強み

デジタル・インフォメーション・テクノロジーは、独立系のシステムインテグレーター(SIer)だ。企業向けシステム開発・運用・保守メンテナンスを行っている。事業セグメントの売上構成比は、ソフトウエア開発事業が90%。自社商品販売事業が5%、カシオの中小企業向け販売支援システム“楽一”の販売を主とするシステム販売事業が5%となっている。

主力のソフトウエア開発事業は、売上高の6割を占めるビジネスソリューション事業と、3割を占めるエンベデッドソリューション事業に分けられる。前者は一般企業の業務システム開発・運用を行う。後者は主に車載用の組込ソフトウエアの開発・検証を担う。

同社の顧客は約2800社。中でもメガバンク、有名自動車メーカー、航空会社など、IT予算が潤沢な企業グループを長年のクライアントに持つ。ソフトウエア開発売上高の実に約7割が、この企業グループで占められている。

加えて、同社はプライム案件と呼ばれる直接受注が約8割。一般的にシステム開発会社は2次請け、3次請けの案件も多く、優良企業でも営業利益率は平均7%と言われる。同社の営業利益率は前々期から10%を超え、2022年6月期は12・4%だ。ビッグクライアントをはじめとするエンドユーザーからの直接受注が、高い営業利益率を実現している。

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