ティーケーピー(TKP) 【3479・グロース市場】

中核事業を貸会議室運営に原点回帰 26年2月期に売上高575億円目指す

貸会議室運営を中心に「空間再生」ビジネスを展開しているティーケーピー(TKP)の業績が急拡大している。コロナ禍で影響を受けた対面による会議やセミナー、研修等の需要が大きく回復。子会社の売却などにより筋肉質な経営体制への転換を進めたことも奏功した。今後は貸会議室やホテル・宿泊施設の積極出店を加速。このほど発表した中期経営計画では、最終年度となる2026年に売上高575億円、営業利益94億円を目指していく。
ティーケーピー(TKP)-河野 貴輝

河野 貴輝(かわの たかてる)

社長

 1996年慶應義塾大学商学部卒業後、伊藤忠商事為替証券部を経て、日本オンライン証券(現auカブコム証券)設立に参画。イーバンク銀行(現楽天銀行)執行役員営業本部長等を歴任。2005年8月ティーケーピー設立、代表取締役社長就任(現任)。

第1四半期営業利益は約44%増
リージャス売却で財務大幅改善

同社は7月に24年2月期第1四半期業績を発表。売上高は31・5%減となったが、営業利益は43・8%増、経常利益は66・4%増(いずれも前年同期比)と大きく伸びた。

これは貸会議室需要の回復に加え、子会社売却により経営体制が筋肉質になったことが奏功している。23年2月、同社はレンタルオフィス事業を展開していた子会社で、381億円の企業価値がある日本リージャスを三菱地所に、また台湾リージャスをIWG Group Holdings Sarlに売却。投資コストの高いレンタルオフィス事業をやめ、売却代金の一部を借入金返済に充てた。これによって有利子負債が大幅に減少。また海外事業からも撤退し、収益を上げやすい財務体質を整えた。

「リージャスを売却したことで売上は3割減りました。しかし営業利益、経常利益はコロナ前を含めても最高水準にあります。特に4月次は過去最高の営業利益になりました。当社は『空間再生流通事業』を謳っています。リージャスを売却したことでオリジナルのビジネスが残り、原点に戻った」(河野貴輝社長)

全国に約240施設を展開
顧客基盤は年間3万社ほど

同社のコア事業は時間貸の貸会議室運営事業だ。不動産を保有せずに賃貸借・業務委託などの契約で物件を仕入れ、会議室や研修場所として貸し出す。国内大企業を中心に年間約3万社の顧客基盤を有するのが強み。同社の売上に占める会議室室料の割合は約5割だ。

収益の源泉は、取り壊しが決まっている物件や、景気後退時に安価で仕入れた物件。会議室として貸すと同時に、オフィス家具や弁当ケータリングなどのサービスで付加収益を得ている。23年2月現在で施設数は合計237、契約面積は約14万坪に及ぶ。

ホテル・宿泊施設もアパホテルのFC事業を含め21施設展開。研修特化型だけでなく、会議室を備えつつ一般客も泊まれる施設も多い。宿泊の売上割合は全体の24%となっている。

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