パウダーテック 【5695・スタンダード市場】

世界シェア70%の電子写真用キャリアメーカー
コア技術を武器に5G関連の新規材料を開発

パウダーテック(5695)は、各種鉄粉の製造販売を手掛けている。主力事業の電子写真用キャリアでは世界70%と圧倒的なシェアを誇り、2020年6月には経済産業省の「グローバルニッチトップ企業100選」に選定された。現在はコア技術を応用展開し、5G関連向け新規材料の開発を推進。時代のニーズに対応しながら、事業拡大を図る。
パウダーテック-佐藤 祐二

佐藤 祐二(さとう ゆうじ)

社長

1954年2月15日、東京都出身。1982年3月パウダーテックに入社。技術部長、キャリア事業部製造部長などを経て、2013年6月専務取締役キャリア事業部長、パウダーテックインターナショナルコープ取締役社長。15年6月代表取締役社長に就任(現任)。

鉄粉から環境に優しい
EFフェライトへ

「電子写真用キャリア」とは、オフィスで使われる複合機やプリンターの心臓部である現像に携わる個所で使用される磁性粉のことであり、現在はフェライト粉が主流となる。パウダーテックは、このキャリアを含む各種鉄粉の製造販売を手掛けている。

前期の連結売上高は106億円。セグメント別では、主力の電子写真用キャリアを含む「機能性材料事業」が8割を占め、カイロ用鉄粉や脱酸素剤などの「鉄粉事業」が残り2割となる。

現在オフィスなどで広く使用される複合機やプリンターの現像方式は、フルカラーに適した、トナーとキャリアの混合物から成る「2成分現像方式」が主流になっている。キャリアは、現像ボックス内でトナーと共に攪拌されることにより、トナーに所望の電荷を与え、感光体上の静電潜像にトナーを運ぶ役目を果たしている。

同社は、1952年に日本初の鉄粉製造会社として創業。70年代、同社の電子写真現像剤用鉄粉キャリアが日本で初めて使用された。95年には、環境に優しい軽金属系フェライトキャリア(EFキャリア)を開発。2000年代に入ると、デジタル化・フルカラー化に対応するため平均粒径30ミクロン程度の小粒径にシフトした。近年は省エネ対応で、低比重・小粒径のEFフェライト樹脂コーティングキャリアが主流となる。

「当社の電子写真用キャリアはほぼ15年単位で大きく変遷をしてきました。その都度、大規模な投資を行いお客様の需要にお応えしてきました」(佐藤祐二社長)

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