数多くの生命保険ランキングで1位
企業価値表す包括資本は約10年で7倍強
ライフネット生命保険は、インターネットで見積もりから契約までが完結する「オンライン生命保険」のパイオニア企業だ。2008年の始動以降、革新的な商品やサービスで急成長。近年では、実際に契約・更新手続きをした消費者が評価する「J.D.パワー生命保険契約満足度調査」のダイレクト型チャネル部門で4年連続第1位、25年オリコン顧客満足度Ⓡ調査における生命保険ランキングで総合第1位を獲得するなど、確固たる地位を築いている。
24年3月期の連結業績は、売上高にあたる「保有契約年換算保険料」が前期比19・6%増の287億5000万円、営業利益にあたる「保険サービス損益」が同24・2%増の82億2200万円。企業価値を表す「包括資本」は24年12月末時点で1652億2900万円となった。
※1:EEVとは、評価時点の純資産価値に保有契約が将来生み出す利益の現在価値(保有契約価値)を加えることにより計算される。同社では2023年度から、EEVに代わりIFRS(国際財務報告基準)を適用。それにともない、「IFRS資本」・「CSM(税調整後)」・「団信契約価値」の3つを合計した包括資本(CE)を企業価値を表す指標に変更した。
展開するセグメントは生命保険事業のみ。同社の保険商品は複雑な特約や配当を設けず、低価格、かつシンプルでわかりやすいのが特徴だ。現在は大きく分けて6種類を展開。死亡時や高度障害者になった場合に保険金が支払われる「定期死亡保険」、終身型の「終身医療保険」、定期型の「定期医療保険」、がん治療・がん治療にともなう収入減少などを保障する「がん保険」、病気やけがで長期間仕事ができない時に備える「就業不能保険」、そして24年4月からエーザイと共同で開発した、認知症や軽度認知障害(MCI)の早期発見・早期治療をサポートする「認知症保険be」がある。
全商品の契約者数は約62万人。売上にあたる保有契約の内訳は、定期死亡保険が49%、終身医療保険が27%、がん保険が11%、就業不能保険が11%、その他1%となった。
そのほか、パートナー企業と共同開発した金融商品も手掛けている。そのひとつが、23年7月から新事業としてスタートしたauじぶん銀行の団体信用生命保険(以下団信、囲み記事参照)だ。ライフネット生命保険は、同銀行の住宅ローンに付随する生命保険サービスを提供している。
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