コロナ下でも売買仲介は盛況
低金利も好調な要因
同社が展開するフランチャイズブランド「ハウスドゥ!」は、不動産売買・仲介・リフォームからハウス・リースバック、リバースモーゲージなど不動産金融を含む幅広いサービスをワンストップで提供している。
コロナ下においても不動産仲介などの業績は好調で、2021年6月期第1四半期では、売上高が前年同期比24・1%増の75億2300万円、売上総利益同11%増の27億5500万円、営業利益同741%増3億1500万円と好調に推移している。緊急事態宣言下で休業する同業他社も多いなか、同社の直営店では昨年比で見ても客足が全く落ちなかったことから、全店で営業を続けたことが奏功した。3~4月にかけては不動産の仕入れも積極的に行い、30~70億円かけて物件数を増やしている。
「不動産業は自粛対象ではなかったので、通常より広告を増やし、逆に“攻めた”結果、当社にお客様が集中したようです。家が欲しいという人は潜在的にいつでもいるものです。日頃忙しくて家探しできなかったのでじっくり探せて良かったというお客様の声も聞きました。また低金利も売り上げが好調だった要因の一つです。今後も低金利が続く限り、家はまだまだ売れると思います」(安藤正弘社長)
現在のチェーン店舗数はオープン準備中も含め670店舗(20年11月末現在)。月10店ペースでネットワークを拡大し、47都道府県すべてで加盟店契約を達成した。不動産仲介売買のフランチャイズでは最大級の規模を誇る。
中小企業の課題であるブランド力や差別化されたサービス商品の開発力、デジタル化への対応などに限界を感じてフランチャイズを利用するケースも多い。実際契約者を業種別で見ると、建築・リフォーム業など不動産業関連が最近、2割から4割近くまで増加している。
不動産仲介業からスタートした同社の大きな強みが、日本全国の加盟店舗で入力したすべての不動産取引実績の情報を本社で集計・データ化していることだ。これはアメリカの不動産情報プラットフォームMLSにヒントを得たものだという。
「アメリカでは不動産業者は皆MLSに情報入力をしています。私はアメリカ視察の際にこれを目にして、こうした地元の生の情報を集めたプラットフォームは当社にとっても必要だと確信しました。FC化とともにデータを集められたら良いなと思い、創業時は手作業でやっていました。今、このような膨大な不動産のデータベースを持っているのは日本でも唯一、当社だけだと思います」(同氏)
有料会員限定
続きを閲覧するには会員登録が必要です。
すでに会員の方は
ログインして閲覧してください。