「底地」「居抜き」の売買・管理
上場法人唯一のビジネスモデル
同社は、権利関係が複雑な「底地」「居抜き」などの物件を専門に売買・管理する企業だ。2021年12月期には底地344件、居抜き57件を扱い、売上高は168億3600万円(前期比5・3%減)、営業利益は11億1700万円(同31・9%増)となった。全国的に「底地」「居抜き」を専門に取り扱っている上場企業は同社だけだ。
「底地」とは、土地の所有者(地主)が土地を貸し、借地人が家を建てている場所のこと。地主には土地所有権、借地人には借地権とそれぞれに権利があり、相続時にトラブルが発生することが多い。近年は特に相続人と借地人に面識がないことも多く、個人間での解決が難しくなっている。同社は第三者として地主から底地を買い取り、借地人と交渉して権利を調整、底地の売却を進める。同時に権利者からの依頼により底地の管理も手掛ける。21年12月期の底地売上高は82億800万円(前期比29・8%増)。 一方、老朽化したアパートに住人がいる場合、家主が取り壊したくとも、住人との交渉が難しいことも多い。このような物件を同社では「居抜き」と呼び、家主から買い受けた後に住人を個別に訪問。移転先の紹介など退去に向けた話し合いを進める。住人が全員退去した後は、更地にして売却する。21年12月期の居抜き売上は60億8300万円(前期比13・7%減)となっている。22年12月期第1四半期は、居抜きの販売が大幅に増加し、計画を大幅に上回った。
「底地は毎年コンスタントに400件程度を取り扱っていて、安定した事業です。居抜きは年によってばらつきがありますが、最近は都内のマンション価格の上昇で築古アパートを売りたい家主が増え、物件が多く出てきています」(松﨑隆司社長)
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