企画から建設まで一貫受託
「造注方式」が好採算性支える
首都圏を中心に1棟200戸程度の中規模分譲マンションを建設する同社の強みは、業界では珍しい「造注方式」の採用だ。これは自社で資金調達し土地を取得、建設プランを作成して、不動産会社などに売却し、受注する方式。同社は市場調査から用地取得計画、企画を自社で行い、大手ゼネコンに用地取得を含む事業企画を持ち込む。そこで合意が得られたら正式に対象用地を取得し、大手ゼネコンに売却する。
「特命で既存建物の解体工事から新たな建物の建設までを一貫で請け負うので、1つの案件で不動産と、工事の2段構えで利益を生み出せる。こちらから計画を持っていくので、通常の入札方式に比べて計画も工事もこちらで主導権を握りやすいメリットがあります。さらに工事代金の支払い条件についても交渉できるので、代金回収まで時間がかかりすぎないようリスク分散をすることが可能です」(中村利秋社長)
この「造注方式」を支えているのは、同社の開発部隊だ。
「当社は『土地を制する者は全てを制する』という考えで、用地開発・企画こそが生命線ととらえております。実際、当社の営業は3人ほどに対して開発は20名を抱えています。開発分野では大手ディベロッパーが競合にあたりますが、大手ディベロッパーは意思決定にどうしても時間がかかってしまいます。その点、我々はスピーディーに決定ができる」(同氏)
年によって変動はあるものの、「造注方式」は全体の工事件数の半分以上を占めているという。
「今後も土地や建設のノウハウを持つ人材を確保しながら情報網を広げ、この分野を着実に伸ばしていきたい」(同氏)
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