霞ヶ関キャピタル 【3498・プライム市場】

動産の開発と投資ファンド組成で拡大
今期は売上高、利益の最高更新目指す

霞ヶ関キャピタルは、物流施設やアパートメントホテルの開発を手掛ける「不動産デベロッパー」だ。同社は一般的なデベロッパーと異なる高回転型のビジネスモデルを展開し、不動産に係るソーシングから竣工後のファンドマネジメントに至るまでの企画力・コンサルティング力を生かし業容を拡大。足元ではヘルスケア関連施設開発やレジデンスファンドの組成などへの参入も公表している。2022年8月期は過去最高の売上高207億8000万円、営業利益21億4100万円で着地。21年に始動した中期経営計画では、新しいビジネスモデルを発表した。将来的には、個人投資家向け小口化商品への進出も目指す。
霞ヶ関キャピタル-河本 幸士郎

河本 幸士郎(こうもと こうしろう)

社長

1973年生まれ、兵庫県出身。99年明豊ファシリティワークス入社。2003年グローバンス入社。06年グロブナー・ファンド・マネジメント・ジャパン・リミテッド入社。14年合同会社フォルテ(現霞ヶ関キャピタル)入社。15年代表取締役社長(現任)。

売却と運用で不動産を回転
プロジェクト総額1958億円

同社は「不動産デベロッパー」として多種多様な不動産開発を手掛ける。しかし、従来型のデベロッパーとのビジネスモデルとは異なる。仕入れた土地に合わせて高付加価値を生み出す不動産開発を得意とし、土地の企画が完成した段階で不動産開発ファンドに売却、投資家と共同で開発を行う。土地売却までの期間が約6カ月と非常に短い高回転型の開発と、不動産開発のライフサイクル(企画・開発・運用の各段階)を通じたアセットマネジメントの2本柱で構成された独自のビジネスモデルを展開している。

「6カ月という短い期間で物件を回していくことで、収益が大きくなり、マーケットのリスクにもさらされにくくなる。しかしこの方法には商品の仕込み力、企画力が必要。当社のようなビジネスモデルの会社は他にありません」(河本幸士郎社長)

同社は急速に開発実績を積み上げており、2022年8月末時点で合計1958億円のプロジェクトが進行中。これは前年度と比較すると107・6%増と大きな進捗を見せている。また、同社は上場以来継続して売上高を更新しており、22年8月期は過去最高の売上高207億8000万円、営業利益21億4100万円を達成した。

「箱だけ作ってもうかる時代はとっくに終わっています。我々が運営のところまで入って、ソフト面でも物件の価値を上げ、他が追随できないような体制を作りたいと思います」(同氏)

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