ワークマン 【7564・スタンダード市場】

一般向け機能性ウェアに業態拡大で店舗売上倍増 高機能・低価格のPB開発で国内1500店舗体制へ

 プロ向けのワーキングウェアや一般向けの機能性ウェアを販売するワークマン。作業服専門チェーン店として業界トップシェアの同社が、一般向けの新業態「ワークマンプラス」を打ち出したのが5年前。大胆な業態転換で大きな注目を集め、株価は当時1万円超の高値を付けた。現在はプロ・一般向けの5業態を全国1000店舗(2023年9月末)展開。既存店の改装転換やショッピングセンターへの出店加速、新たな新業態出店でさらなる客層拡大を図っている。「機能と価格」を武器にしたPB商品で、国内1500店舗体制、チェーン全店売上高3000億円を目指す。
ワークマン-小濱 英之

小濱 英之 (こはま ひでゆき)

社長

1969年7月生まれ、群馬県出身。高崎商科短期大学商学科卒。90年ワークマンに入社。2003年商事部長代理、09年商事部長、10年商品部第二部長兼セーフティグッズ担当。11年商品部海外商品部長。14年役員待遇商品部海外商品部長。16年執行役員商品部長。17年取締役スーパーバイズ部長。19年代表取締役社長に就任(現任)。

プロと一般向けの5業態を展開
取扱商品は同じ、見せ方を工夫

ワークマンでは、職人などプロ向けの作業服・作業関連用品のほか、一般消費者向けのアウトドアウェア、スポーツウェア、カジュアルウェアなど機能性ウェアを中心に取り扱う。いずれも高機能かつ低価格な商品が人気の理由だ。

現在はプロ向けが中心の「ワークマン」、プロと一般向けの両方を扱う「ワークマンプラス」、100%一般向けの「#ワークマン女子」「ワークマンカラーズ」、100%プロ向けの「ワークマンプロ」と、ターゲットを明確に分けた5業態を展開する(図1)。いずれも取り扱う商品は概ね同じだが、陳列方法や見せ方を変えて、幅広い客層にアピールしている。1日の1店舗あたり平均来店客数は約180人。来店の客層比率はプロが6~7割、一般が3~4割だ。

店舗数は、創業から展開する「ワークマン」が432店舗、新業態の「ワークマンプラス」518店舗と「#ワークマン女子」40店舗、「ワークマンカラーズ」1店舗、そして「ワークマンプロ」が9店舗。計1000店舗を全国47都道府県に展開。出店は基本的にロードサイドで、建坪は約130~150坪。駐車場も入れると500~600坪程の広さになる。近年は経営課題でもある一般向けの客層拡大を図るため、ショッピングセンター(SC)への出店も加速している。

「ワークマンプラス」「#ワークマン女子」での新規出店を年間約40店舗、および既存の「ワークマン」からの改装転換を年間60~70店舗のペースで進め、一般向けの店舗網を拡大中だ。そのため24年3月期第1四半期には、「ワークマン」と「ワークマンプラス」の店舗数が逆転した。

「今後新店に関しては、ワークマンでは出さずに、ワークマンプラスもしくはワークマン女子を積極的に出店していきます。一方で、客層拡大する前から売上が上位クラスの店舗があります。そこはプロのお客様がしっかりついている店なので、より一層プロのお客様を獲得していくためにもワークマンプロに転換していきます」(小濱英之社長)

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