丹青社 【9743・プライム市場】

リアル、バーチャルでの空間創造のプロ集団
100周年に向け、周辺領域の新事業に着手

丹青社は、大型商業施設やホテルからチェーンストア、飲食店、ミュージアムなどの文化施設まで、幅広い空間づくりを手掛ける総合ディスプレイ企業だ。1946年に創業し、70年開催の大阪万国博覧会をきっかけに飛躍した。2025年の大阪・関西万博でも共創パートナーとして参加している。同社は24年2月、創業100周年を見据えた長期理念「私たちの未来ビジョン2046」を発表。既存事業の深化で経営基盤を固めながら、時代の変化を取り込む新事業での成長を目指す。
丹青社-小林 統

小林 統(こばやし おさむ)

社長

1959年長野県出身。83年法政大学経済学部卒業後、84年丹青社入社。営業部門、営業企画部門の部門長を経て、2008年IMC事業部事業部長、15年CS事業部事業部長、16年取締役、22年取締役専務、23年4月社長就任(現任)。

空間づくりの全プロセスを
トータルにサポート

同社が提供するサービスは空間に関わる調査・企画、デザイン・設計、制作・施工、運営に加え、デジタル技術を活かしたシーン演出や保守・メンテナンスなど幅広い。川上から川下までトータルで対応できるのが強みだ。

近年は、リアル空間づくりのノウハウを活かしたバーチャルな体験型空間の実装などもプロデュース。扱うプロジェクト数は年間約7000件、継続取引会社は約1000社、パートナー協力会社は 約250社に及ぶ。

ディスプレイ業界では、商業施設専門やイベント専門など、事業領域を限定する企業が多い。だが同社の対象は多岐にわたり、事業規模では乃村工藝社に続く業界2位に位置する。

事業セグメントは売上高の約6割を占める「商業その他施設事業」、同3割の「チェーンストア事業」、同1割の「文化施設事業」などに分かれている。

商業その他施設事業は百貨店、大型ショッピングセンター、各種専門店、飲食店、イベント販促施設、アミューズメント施設、オフィス、ホテルや公共施設などの商業施設全般を扱う。チェーンストア事業はチェーン展開型の飲食店・アパレルショップ・コンビニエンスストアなどの店舗施設を扱い、文化施設事業は博物館・美術館・企業ミュージアムなどを扱っている。

全国に支店・営業所を11拠点、グループ会社は各種空間の制作・施工を扱う「丹青TDC」、展示ディスプレイを扱う「丹青ディスプレイ」、中国上海にある「丹青創藝設計咨詢(上海)有限公司」など8社を有する。

それぞれグループの事業を支える機能子会社としての役割が強く、例えば「丹青研究所」は、日本唯一の文化空間の専門シンクタンク。同社の文化施設事業の競争優位性のベースとなっている。

「丹青研究所の規模は大きくはないのですが、ダイレクトにオーダーが入る会社でもあります。『ミュージアムを作りたい』という時に、研究所に相談され、地域性やそこに住んでいらっしゃる人たち、文化などをしっかり研究してご提案を申し上げる。ミュージアムの先を見据えたコンサルティングをする。こうした会社は他社にはありませんし、この領域ではナンバーワンだと自負しております」(小林統社長)

有料会員限定

続きを閲覧するには会員登録が必要です。
すでに会員の方は
ログインして閲覧してください。

ログイン 会員登録 SEARCH