独立系クラウドサービス企業 ユニリタ 【3800・スタンダード市場】

企業のデータ活用やシステム運用を支援 顧客本位でソフトからクラウドへ軸足移す

 ユニリタは世のDXを追い風に成長を続ける、ソフトウェア開発・クラウドサービス・コンサルティングなどを展開する独立系IT企業。23年3月期連結売上高は115億4900万円と過去最高を達成した。今中期経営計画期間は、プロダクト開発・販売型からクラウドサービス中心のビジネスモデルへと大きく舵を切る。

「ユニークな発想」と「利他の精神」を社名の由来とする同社の北野裕行社長に話を聞いた。
ユニリタ-北野 裕行

北野 裕行 (きたの ひろゆき)

社長

1970年10月生まれ、岡山県出身。94年近畿大学商経学部卒業後ビーエスピー(現 ユニリタ)入社。2012年執行役員就任、営業本部担当役員として全社の営業を統括、子会社のコンサルタント会社社長も兼務。14年取締役就任。15年からの西日本事業部長時代には同事業部の分社化を企画し17年に実現。17年代表取締役 社長執行役員就任(現任)。

データ活用関連に大きな強み
生保や金融機関で幅広く採用

同社は大手企業を中心に1700社以上の顧客基盤を持ち、「プロダクトサービス」「クラウドサービス」「プロフェッショナルサービス」の3つのセグメントで事業を展開している。

売上の約4割を占めるのがプロダクトサービスだ。顧客企業の業務自動化や帳票出力業務などを、ソフトウェアやクラウドサービスで支援する。主力製品のひとつ「A─AUTO」はジョブ管理ツールで、たとえば業務が終了した夜間に自動で集計や請求書の印刷などを行うことができる。これまでは夜の間にたまった膨大なデータを朝出勤した社員が振り分けて、集計処理などをする必要があったが、同ツールを活用することで、大幅に業務短縮することが可能になった。実際に生保や金融関係で幅広く使用されているという。

また大企業が基幹システムとして採用してきたメインフレーム(MF)と呼ばれる大型コンピュータ向けのサービスも展開。クラウド移行が進む現在でもMFを使う企業は多く、堅実に売上・利益を確保している。

「お客様先にある汎用的な課題を、ソフトウェアやサービスを開発して解決しています。当社はデータ解析や運用・活用を得意としていますので、各種の自動化ツールで企業のDXに貢献しています」(北野裕行社長)

同社が成長事業と位置づけるのが、売上の約3割を占めるクラウドサービス。「IT活用」「事業推進」「社会課題」の3つのカテゴリでサービスを提供する。中でもデータ活用、サービスマネジメント関連が大きく伸びる。

「最近、自動車メーカーが新車のサブスクを展開しているように、一般顧客と直接つながるサービスにシフトする企業が増えている。サービスをより早く適切に提供するため欠かせないのが、データの活用なのです。当社は長年に渡り、システム間のデータ連携を手掛けてきましたので、我々の強みが生きる分野だと思っています」(同氏)

売上の3割を占めるプロフェッショナルサービスでは、企業に向けたコンサルティング、システム運用アウトソーシング、システムインテグレーションなどのサービスを提供している。

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