自動車のエンジンカバー、液晶テレビの外装、パソコンの精密部品など、高度な技術が必要なプラスチック製品を作るのは、創業80年以上の歴史を持つ天昇電気工業だ。
プラスチック製品メーカーにも関わらず社名に「電気」と入るのは、高度経済成長期にプラスチックを使用した電気製品を作っていたため。家電の隆盛時代にはラジカセや留守番電話、トランシーバーなどを製造していた。1961年には東証2部に上場。2000年代に液晶テレビが流行すると、大手メーカーの主要OEMとして同製品を製造していた。
しかし、リーマンショック前後に液晶テレビ業界が低迷すると、つられて業績が悪化。2013年に石川忠彦氏が社長に就任すると、打開策として自動車分野へ本格参入した。これが功を奏し、一時は123億円(単体)まで落ちた売上高は6期連続増収と回復。配当は2016年3月期まで9年間無配が続いていたが、2017年3月期からは年間3円と復配している。
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