専門人材不足追い風に
売上高100億円突破
近年、国内ではエンジニアの争奪戦が繰り広げられている。エンジニアの有効求人倍率は10倍超が継続しており、情報サービス業における人手不足企業の割合は72・9%だ(帝国データバンク調べ)。企業のDX化や大手のIT予算増加に伴う需要増の流れを受け、2030年には最大79万人の供給不足が想定されている。エンジニアの賃金上昇に企業の給与体系が追いついておらず、社員よりも高報酬の傾向にあり年功序列に左右されない「フリーランス」へ流れるエンジニアが急増中。19年に17万人弱だったフリーランスエンジニアは、22年には27万人近くに達している。
そんな追い風を受け、TWOSTONE&Sonsの23年8月期売上高は、前期比46・4%増の100億円5600万円と13年の創業来初の100億円を突破。営業利益は同63・5%増の3億1900万円で、売上高以下全ての項目で過去最高を更新した。
売上の約9割を占めるのは「エンジニアプラットフォームサービス」。主力の「Midworks」では、フリーランスエンジニアと企業のマッチングを行っている。同サービスは国内最大級のエンジニアサービスで、1月末には登録ユーザーが4万人を突破。同社ではクライアントの案件ごとに、最適な人材を組み合わせてプロジェクトチームを編成し、準委任契約で紹介している。クライアントとしては開発フェーズに沿って必要なスキルを持つエンジニアを必要数だけスポットで契約し、柔軟に組織編制できる点がメリットだ。
「高いスキルを持つ人材ほど社員化が難しく、経験の浅い人材を採用し失敗する企業も多い。今後、既存の社員とフリーランスが垣根なくチームを組み開発を行う米国型の『内製化』が進んでいくと思われます。当社では事業戦略コンサルタント、ITコンサルタント、プロジェクトマネージャーなどの川上から、開発・運用工程、組織内製化まで一気通貫してクライアントを支援しています。それができる会社はほとんどありません。当社の強みであり、今後更に強化していきたい部分です」(高原克弥COO)
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