美濃窯業 【5356・スタンダード市場】

ニッチ分野で勝負、セメント用耐火物のシェア4割
製造・設計施工・メンテまでトータルで対応

美濃窯業(5356)は、岐阜県瑞浪市に本社のある窯業系メーカーだ。耐火物の製造のほか、プラントや舗装材も手掛けており、年商は130億円強。主力セグメントそれぞれにニッチトップ分野があることを強みとする。加えて、近年ではセラミックスの製造技術を使った新分野開拓にも挑んでいる。
美濃窯業-太田 滋俊

太田 滋俊(おおた しげとし)

社長

1951年12月12日生まれ、東京都出身。東京工業大学大学院材料科学専攻博士課程修了後、80年4月、美濃窯業に入社。87年取締役企画担当、89年常務取締役などを経て、99年代表取締役社長に就任(現任)。

売上の8割は耐火物製造・
プラント設計施工

美濃窯業の2020年3月期の売上高は132億円、営業利益は14億円、経常利益は15億円。セグメントは、耐火物事業、プラント事業、建材及び舗装用材事業、不動産賃貸事業に分かれている。 4つのうち最もセグメント別売上高構成比が高いのは、全体の約44%を占める耐火物事業(売上高58億円)。次に多いのが35%のプラント事業(同47億円)で、20%弱が建材及び舗装用材事業(同24億円)となっている。なお、利益構成比は、プラント事業が53%、耐火物事業が27%である。

同社の強みは、セメント、石灰、環境・再資源化などの分野のプラントに向けた耐火物の製造のみにとどまらず、各種窯炉の設計・施工や提案型の技術サービスに至るまで、全てを一貫して提供できる点にある。

たとえば鋼材用の焼成炉を例に挙げると、まずは窯炉の設計から行い、内部を保護するために使用する耐火レンガの製造はもちろん、その施工作業も請け負う。また、炉内は温度が約1700度にまで上昇する非常に過酷な環境のため約3カ月ごとに張替作業が必要。それも、自社で引き受けている。

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