大型ショベルカー用機械に強み
製造から修理の一貫体制を築く
同社は、ビルの解体や砕石に使われる解体用アタッチメントの開発・製造・販売・修理を展開する企業だ。また林業機械の製造・販売も手がけている。2022年3月期の売上高は203億600万円(前期比15・4%増)、営業利益は17億7100万円(同28・7%増)で過去最高売上高と利益を更新した。
圧砕機、つかみ機、ブレーカ(採石場の削岩や建物のコンクリートを砕く機械)などの解体アタッチメントを取り扱っている。圧砕機の中でもビル主要部分を解体する「大割機」、コンクリートを細かく砕く「小割機」、鉄筋や鉄骨を切断する「鉄骨カッター」などが主要製品。大割機の国内シェアは43・4%、鉄骨カッターの国内シェアは51・9%となっており、業界トップ企業だ。22年3月期の国内セグメントの解体環境アタッチメントの売上全体に占める割合は64・2%、国内セグメント売上は166億6185万円となっている。
「当社は30トン以上の大型ショベルカー向け解体アタッチメントが強み。少子化で人手不足が進み、省人化のための機械の大型化を見越して、強度が高くしかも比較的軽量な“鋳鋼品”による製品作りに早くから注力してきました」(岡田祐司社長)
解体アタッチメントメーカーとしては日本で唯一、サービス部隊と修理工場を全国に保有している。開発から製造、販売、修理までを一貫して行うことで他社との差別化を図っている。
「サービス部隊を持つことで、お客様の声をダイレクトに聴き、商品開発に生かせる。最近はショベル大型化に対応するため、全国12拠点で修理工場の建て替えを進めています」(同氏)
林業分野では、森林から木材を伐採し運搬する林業機械や、発電所・ダム建設時に使うケーブルクレーン、木材を破砕する大型機械などを展開している。国の国産材使用促進事業や燃料費高騰による輸入木材の不足などから、需要は堅調だ。以前から大型機械を輸入販売してきたが、07年に林業機械を製造する南星機械を子会社化し、開発・製造から修理までの一貫体制が整った。22年3月期の国内セグメントの林業・大型機械・ケーブルクレーン他の売上全体に占める割合は20・1%、売上は33億5700万円となっている。
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