新型コロナで大幅減少だったが
運航再開した日本船の予約が好調
2019年の日本人クルーズ人口は35.7万人となり、3年連続で30万人を超え、過去最多を更新した。クルーズに特化したサイト「ベストワンクルーズ」を運営するベストワンドットコムは、近年のクルーズ市場の成長を背景に2005年の創業以来、業績を伸ばしてきた。視界は良好だったが、20年に大型クルーズ船ダイヤモンド・プリンセスで新型コロナウイルスの集団感染が発生。世界的なクルーズ運航中止の影響を受け、前期(20年7月期)の業績は売上高前期比48.9%減の11億1100万円、営業損益6000万円となった。
20年前半には世界中のクルーズ船が運航を見合わせていたが、最近になって明るい兆しが見え始めている。その一つは日本国内発着のクルーズ船の再開だ。20年11月には日本船の飛鳥Ⅱ、にっぽん丸、ぱしふぃっくびいなすが運航を再開。同社も船会社と連携して予約の獲得を行っている。
「当社のクルーズ事業の売上の約5割が、日本国内発着の日本船と外国船クルーズです。コロナの影響でしばらくストップしていましたが、国交省のサポートもあり運航再開の動きが始まっています。当社はこれまでは外国船に力を入れていましたが、飛鳥Ⅱなど日本船の運航再開決定を受けて日本船の集客を強化しました。結果、前年比3倍の予約を獲得しています。今後はこの日本船の予約を3〜5倍に拡大させます。現在のシェアは0.5%ほどなので、これを機に2〜3%に伸ばす計画です」(澤田秀太社長)
澤田社長は運航再開した飛鳥Ⅱに乗船したという。乗船人数を半分ほどに絞っていること、PCR検査や検温、除菌など安全対策が徹底していることを自ら確認。今後の運航で安全性が示され集客が上向くことを期待しているという。
また、売上比率約5割を占める海外発着のクルーズは、アジア発着船から運航再開が決まっている。リピーターを中心に需要は旺盛であり、営業に努めて早期の売上回復を予定している。
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