シェアトップ製品を多数保有
新セグメントは高利益率が魅力
同社の売上高営業利益率が近年上昇傾向にある。2021年3月期は4・3%だったが、今期予想では7・6%となる見通しだ。
セグメントは3つ。売上の約半分を占めるのが「デバイス」セグメントだ。この部門では製造業を顧客とし、半導体、電子部品などの海外製エレクトロニクスデバイスを輸入・販売している。また製造業向けに国内製のスライドレール、ダンパー、昇降システムなどの製品を販売。スライドレールなどの複合機・ATMやコピー複合機用機構部品では、国内シェアトップとなっている。
売上の約4割を占める「システム」セグメントでは、小売業やオフィス・データセンター、そして東南アジア向けに事業を展開。小売業向けには万引き防止システムや、顔認証システム・監視カメラなどを提供している。中でも、ドラッグストア向け万引き防止システム・監視カメラではシェアトップを占める。
そして注目したいのが、23年3月期より3つ目のセグメントとして生まれた「クラウドサービス&サポート」セグメントだ。このセグメントでは「MSPサービス」を展開する。同サービスは、企業内の無線LANなどのネットワーク機器の運用管理のアウトソーシングを、月額定額料金で提供するもの。月額料金にはクラウドサービスライセンス料と機器代、保守料が含まれる。
MSPサービスでは、ネットワーク環境の運用管理を同社にアウトソーシングすることで、情報システム部門に専任者がいない場合でも、システムを安定して稼働させることができる。また人手不足の昨今、同社による24時間365日の保守は大きな魅力だ。中小企業や、拠点数の多さから管理コストが高い全国展開の店舗を中心に、契約数が伸びている。
クラウドサービス&サポートセグメントの売上比率は全体の1割程度だが、営業利益でみると全体の3分の1を占める。セグメントごとの営業利益率でみても、19・2%と他の2部門と比べて突出して高い。
「このサービスは、お客様に一定期間使っていただければ採算が取れ、それ以降は使い続けていただくほど利益があがっていく。お客様がサービスに満足していただくことで、解約率を低く保つことが重要。今後もこの事業に注力し、将来の稼ぎ頭にしていきたい」(井出尊信社長)
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