軸受に自己潤滑性持たせる
自動車関連製品に見込み
同社は軸受機器事業、構造機器事業、建築機器事業の3事業を展開する。世界9拠点を持ち、海外売上比率は約36%。24年3月期は売上高687億6500万円(前期比9・4%増)、営業利益72億9100万円(同44・2%増)。売上高、利益ともに過去最高を達成している。
軸受機器事業では、すべり軸受の一種であるオイルレスベアリングを製造から販売まで一貫で展開している。オイルレスベアリングは、軸受自体に自己潤滑性を持たせることで、潤滑剤をほぼ必要とせずに摩擦・摩耗を減らす点に特徴がある。
ベアリング(軸受)とは
ベアリング(軸受)には「転がり軸受」と「すべり軸受」の2種類がある。すべり軸受の商品の1つとして「オイレスベアリング」がある。転がり軸受は、ボールベアリングのように玉などの回転で摩擦を減らし、軸の回転をスムーズにする。一方すべり軸受は、表面に滑りやすい材質を用いて摩擦を減らす。すべり軸受は高速回転には向かないが、コンパクトで衝撃に強いといった特徴を持っている。
軸受機器事業の売上は同社の約7割を占める。軸受機器事業の内訳を見ると、約7割が自動車関連製品だ。サスペンション、ステアリング、シート、ドア向けのベアリングなど、自動車1台につき約20~30個の同社製品が使用されている。
「国産の全自動車メーカー、そしてそのメーカーに部品を供給する大手自動車部品メーカーと取引があります。また、従来の自動車用転がり軸受を、燃費向上やEV走行距離延長のため、コンパクトで軽量な当社のオイルレスベアリングに置きかえる動きも進んでいます」(坂入良和社長)
同社の軸受製品は、一般産業関連にも使用されている。ロボット、工作機械、半導体製造装置のほか、鉄道やダムなどの社会インフラでも使用される。近年では再生可能エネルギー設備にも採用されている。
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