2021年2月上期は売上減だが
日本リージャスが業績に寄与
同社の2021年2月期上期の売上高は、前年同期比15.4%減の205億4400万円、売上総利益は同48.9減の50億6200万円となった。
同社はビルの空き室を借り上げ、会議室や研修室として貸し出すビジネスビジネスモデルで成長。2020年2月期の売上高は前期比53.0%増の543億4300万円となった。年間2万5000社以上が利用し、うち上場企業が2000社以上、売上上位500の年間利用施設数が1社当たり100施設、85%がリピーターだ。貸会議室数は全国で2000カ所以上にものぼる。
「しかし、新型コロナによる緊急事態宣言の影響で、貸し会議室の予約キャンセルやイベント等の開催時期の変更が相次いだ」(河野貴輝社長)
主力の貸し会議室事業の月次売上高はキャンセル料含めて、4月が前年度30億6500万円から18億4400万円、5月は同26億3300万円から8億300万円へと大幅に減少した。6月以降は徹底した感染対策やウェビナー需要などで、「徐々に回復基調にある」(同氏)とは言うものの、どこまで前年度並みに回復できるかは依然として不透明だ。
代わりに存在感を増しているのが、昨年子会社化したリージャスだ。同事業は世界最大級のレンタルオフィス事業を展開するリージャスの日本法人と台湾法人。現在リージャス日本と台湾合わせて、コミュニティ型からハイグレード型まで、6ブランド合計177施設15万㎡超のオフィススペースを提供している。
リージャスの顧客の契約期間は平均1年から1年半と貸会議室と比較して長く、6月以降もコロナの影響は殆ど発生せずに顕著に推移している。
上期の売上高は88億3100万円、買収に伴うのれん償却費を加味したのちも約4.4億円の営業黒字となった。
同事業は平均約8〜12カ月で損益分岐点に達し、その際の稼働率は45%程度。約18カ月で巡航速度の稼働率65%に達する。中長期的に借りるケースがほとんどで市況に左右されづらく、長期に安定稼働が続くサブリース型のストックビジネスだ。
「日本リージャスへの問い合わせはコロナ禍でも減少していません。内見や新規契約者数は、緊急事態宣言下では落ち込んだものの、現在はコロナ発生前の水準まで回復しています」(同氏)
同社は貸し会議室をニーズに応じて多目的化することで、飲料、ホテルなど複合的なマーケットの取り込みを図ってきた。リージャスもその一つ。これがコロナ禍でも確実な需要獲得に繋がっている。
「企業のオフィス改革が進む中、縮小移転先やオフィス機能の集約先として需要が集中しており、日本リージャスの新規契約の契約期間は増加傾向にあります」(同氏)
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