セイコーエプソン 【6724・プライム市場】

インクジェットプリンターの世界的企業
「省・小・精」技術で環境負荷軽減に貢献

セイコーエプソンは、インクジェットプリンター、プロジェクターなどを製造販売する世界的メーカー。ロボティクス技術による工場自動化や、水晶発振器などのマイクロデバイス製造も手がける。2021年に長期ビジョンを見直し、さらなる環境経営へと大きく舵を切った。
セイコーエプソン-小川 恭範

小川 恭範(おがわ やすのり)

社長

1962年4月生まれ。愛知県出身。88年セイコーエプソン入社。2008年VI事業推進部長、VI企画設計部長。17年ビジュアルプロダクツ事業部長、執行役員。18年取締役執行役員、技術開発本部長。19年取締役常務執行役員ウエアラブル・産業プロダクツ事業セグメント担当。20年代表取締役社長(現任)。

在宅需要で小型印刷機好調
工場向けロボットも拡大

インクジェットプリンターの国内トップメーカーとして知られるセイコーエプソンは、かつて「東洋のスイス」といわれた長野県諏訪市を本拠地に、国内19社および世界各国・地域に63社のグループ企業を持ち8万人近い社員を抱える、年間売上高約1兆円のグローバル企業だ。

同社の事業セグメントは、「プリンティングソリューションズ事業」「ビジュアルコミュニケーション事業」「ウェアラブル・産業プロダクツ事業セグメント」の3つとなっている。

プリンティングソリューション事業では、オフィス・ホーム用や商業・産業用のインクジェットプリンターなどを製造販売している。同社のインクジェットプリンターは素子に電圧を加えることでインクを吐出させる構造で、他社製品とは違い熱を使わない。このため耐久性に優れ、さまざまな種類のインクが使用できることが強みだ。2021年3月期の同事業の売上収益は7077億円(前期比0.1%減)、利益は1085億円(同43.5%増)となった。

「ホーム用製品が特に北米で伸びた。コロナによって在宅勤務が定着し、自宅での印刷需要が拡大している。おそらくコロナが明けても在宅需要は継続すると見ています」(小川恭範社長)

ビジュアルコミュニケーション事業では、大画面プロジェクタやスマートグラスなどを製造・販売している。同事業の売上収益は1414億円(同22.8%減)、利益は13億円(同90.1%減)となっている。

ウェアラブル・産業プロダクツ事業では、産業用ロボットやセンサー、水晶や半導体のマイクロデバイス、セイコー向けウオッチ開発・製造および自社ブランド「オリエント」などのウオッチ製造・販売も展開。近年では中国での工場向け小型精密ロボットシステムの販売が好調だ。売上収益は1486億円(同2.8%減)、利益は32億円(同75.0%増)となっている。

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