コスモスイニシア 【8844・スタンダード市場】

アパートメントホテル、シニア向けマンションなど次々展開
事業領域を変革し、新時代のデベロッパーへ

首都圏を中心にファミリー向けの新築マンションを手掛けてきた中堅デベロッパーのコスモスイニシアが、事業ポートフォリオの変革を進めている。現在は、サブリース運営や収益不動産販売などを行うソリューション事業が急拡大。さらに同事業から派生した都市型アパートメントホテルの事業をはじめ、新築分譲の分野においても、リノベマンション、アクティブシニアと呼ばれる60〜70代向けの新築マンションなど特色ある新事業を次々と展開する。
コスモスイニシア-高木 嘉幸

高木 嘉幸(たかぎ よしゆき)

社長

1960年6月生まれ、1983年広島大学法学部卒業後、日本リクルートセンター(現リクルートホールディングス)入社。1986年コスモスイニシアに入社し、2008年取締役を経て、2009年代表取締役就任(現任)。

主力はソリューションと
レジデンシャルの2事業

同社の2020年3月期の売上は1106億円、営業利益は60億円。なかでもソリューション事業はこの5年間で売上高220億円、営業利益14億円から売上高474億円、営業利益48億円へと急成長を遂げた。ビル、賃貸マンションのサブリースが堅調だったこと、収益不動産販売では新規開発に加え、平均築25年の既存物件のバリューアップによる大幅増益も成長に寄与している。

また同事業内で誕生した注目の新事業が、2018年からオープンしたインバウンド需要に対応した都市型アパートメントホテルだ。事業の急拡大をうけ、2019年度からはソリューション事業を独立し、「宿泊事業」を新設した。

かつて同社は1999・2003年に国内の新築マンション供給ランキング2位となるなど、レジデンシャル事業を主軸に据えてきた。しかし近年は、業界全体として供給過多、地価や建築費の高騰などの問題があり、収益性の高い新築分譲物件の供給は減少している。そこで同社が展開するのが良質な中古マンションを再生・販売するリノベマンション、アクティブシニア向け新築分譲マンションだ。

2018年度の同社の売上高構成比はソリューション事業全体で51%、内宿泊事業が10%、マンション・戸建てなどを供給するレジデンシャル事業が37%、店舗・オフィス空間のデザイン設計・施工などを手掛ける工事事業が11%となっている。

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