モバイル・車載・医療・金融の独立系SIer アイ・エス・ビー 【9702・プライム市場】

設計から運用・保守まで一気通貫 DX需要背景にエンジニア数は2000人超

 アイ・エス・ビーは、システムの設計、開発、運用・保守を手掛ける独立系システムインテグレーター(SIer)だ。上場するSIer・ソフトウェア企業約250社のうち、同社の業績規模は100位前後で、モバイル・車載・医療・金融など幅広い分野の国内大手企業や自治体を顧客に持つ。組込み系ソフトを得意とし、一気通貫で請け負うことができる。
アイ・エス・ビー-若尾 一史

若尾 一史(わかお かずふみ)

社長

1972年生まれ。99年に有限会社若尾商事に入社。2002年、ソフトウエアメインテナンス会社(現エス・エム・シー)に入社し、02年にアイ・エス・ビーに転籍。08年にビジネスパートナー部長、16年に取締役、20年に専務取締役を経て、21年に代表取締役社長に就任(現任)。

組込み系ソフト強みに
顧客の業務改善を後押し

SIerと呼ばれる企業のなかでも、同社の強みは顧客の業務課題の改善に向けて、システムに関わる一連のサービスを提供できることだ。特に、機器内の制御システムや近年のIoTで機器同士を接続する組込み系を得意としている。

「アプリケーションだけ、クラウドだけ、と請け負う分野を限定している企業さんは多い。組込み系業務も含めてワンストップで請け負える、当社のような企業は実は少ないと思います」(若尾一史社長)

セグメントは4分野に分かれる。自動車に搭載される車載システムやスマホ、基地局のシステムを扱う①モビリティーソリューション。企業の業務システム、医療・産業機器の組込みシステム、POSシステムを扱う②ビジネスインダストリーソリューション。官公庁・自治体の住民サービスシステムや銀行・証券の金融システム、インフラに関わるシステムを扱う③エンタープライズソリューション。入退室管理やモバイルデバイス管理を扱う④プロダクトソリューションがある。2023年12月期第2四半期の売上高構成比は①が18%、②が34%、③が32%、④が16%だ。

最近は端末組込みだけの案件であっても、その先のクラウドを活用したシステムを導入するなど、業界を問わずDX需要が高い。そうした需要を全面的に取り込めるよう、21年1月には組織を再編した。組込み、アプリケーションなど業務内容によって独立していた部署を分野ごとに統括し、それぞれに営業本部を設置。またセグメント間での情報共有・連携をとることができる体制にした。

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