3D版「ALANDIS Connect」
同社が自治体に提供しているGIS(地理情報システム)ソリューション、ALANDIS+(アランディス プラス)シリーズは、基幹となる統合型GISの上に個別業務機能をアドオン(拡張)する構成で、見た目や操作性が統一されたシステムだ。
主に自治体DX支援のため開発されたもので、サーバの処理負担が小さく、クライアント端末にも依存しないため、端末数に関係なく、ストレスを感じさせないスピード、簡易な操作性が大きな特徴。
昨年3月にリリースした同システムの進化版、「ALANDIS Connect(アランディス コネクト)はその3D版として、地理空間情報を基盤とした高度な解析と可視化を実現したもの。同システムは地域課題の発見から解決に至るプロセスを包括的に支援するプラットフォームとして期待されている。
大きな特徴は、ゲームエンジンを採用した高速なデータ表示と、多様な3Dデータの統合利用ができる点にある。3Dデータを用いた断面作成、差分解析、視界解析などの計測や解析機能を備える。「ALANDIS+」シリーズのGISデータとも連携する。これにより属性情報の確認や検索機能も備える。都市モデル、地形モデル、点群データなど様々な3Dモデルを一元的に管理し、ブラウザベースで操作できるため、PCやスマートフォンを含む多様なデバイスでの利用が可能だ。
主な利用者は地方自治体だけでなく、建設・土木、不動産業界、防災関連組織、教育・研究機関、エネルギー・インフラ企業など多岐にわたる。
例えば地方自治体では、防災ハザードマップの作成や土地利用計画に活用され、建設・土木業界では施工管理や地形解析を支援。不動産業界では、地域開発のプレゼンテーションに活用され、防災組織では災害リスク評価や避難計画の策定にも貢献する。
また、研究機関では教育や環境保全の研究に利用され、インフラ企業では設備管理や最適な設置計画の策定をサポートする。
国交省プロジェクトに貢献
2020年にスタートした国土交通省が主導する、日本全国の3D都市モデルの整備・オープンデータ化プロジェクト「PLATEAU(プラトー)」には、多くの団体や企業が参加しており、3Dデータの利用場面は確実に高まりつつある。同社は、Web・クラウド時代に対応した3Dデータ利活用のサービス基盤(プラットフォーム)として、同システム販売を促進していく。
同社は、航空測量分野の大手に位置付けられ、事業規模では業界第3位に位置する。祖業の航空写真測量からスタートした同社は近年、森林の資源量を測る航空レーザ計測分野などにも注力している。また洋上風力など再エネの環境アセス調査も展開する。