「機能商社」として
高付加価値サービスを追求
高島は、建材事業を中心に、産業資材事業、電子・デバイス事業を展開する商社である。1915年に繊維専門商社として創業し、時代の変遷に合わせて事業領域を拡大してきたが、同時に事業の深耕も図ってきた。同社は商社でありながら、施工や施工管理といった工事会社としての機能、設計・折込・加工といったメーカー機能、そして物流機能もあわせ持つ。
主力の建材事業では、2000年代半ばから施工能力の強化を図ってきた。同社の取り扱っている製品に、倉庫やビルなどの建築の際、柱・梁に巻付けるタイプの乾式の耐火被覆材がある。従来の湿式吹付けロックウール工法と異なり、粉塵がほとんど出ないため養生不要、他の工事と並行作業が可能なため、新しい耐火被覆材として発注が順調に伸び続けている製品だ。同社ではその配送・施工までをワンストップで提供している。そのため顧客であるゼネコンやハウスメーカーは、高島に製品発注をすることで、工事の施行業者の選定・管理を別途する必要がなくなるため、工程短縮に繋がる。また産業資材事業では顧客メーカーのEVモーターを工場間で移送する際の樹脂トレイを同社にて設計・製造して提供。顧客からすれば、高島に一任することで自社製品の規格に合ったトレイが出来上がるため、業者選定や設計依頼などの手間を省略できる。電子デバイス事業でも、部品の調達だけでなく、自社工場にて白物家電メーカー向けにアセンブリ(複数部品を組み合わせて一つに組み立てる)を行い、実装基板の提供工程までを担っている。
事業ごとに手段は異なるものの、同社では単なる中間流通にとどまらず、顧客ニーズを汲み取ってサプライチェーンの内側に一歩踏み込み、顧客にとっての「ひと手間」を請け負うことで、顧客の工程短縮・省力化に貢献している。そうすることで、顧客にとって「事業推進に欠かせないパートナー」となり、安定した長期的な取引に繋がっていく。また同社にとっては、事業の深耕により、高い収益性の確保に繋がる仕組みである。
同社ではこのビジネスモデルを「機能商社」と呼ぶ。近年ではそのための戦略投資を続けており、この2年間で、環境衛生資材・防災用品等の卸売企業、電気工事の設計・施工企業、住宅市場及び非住宅市場の基礎補強・地盤改良工事企業をM&Aで取得。今後もM&Aをはじめとした成長投資を継続し、顧客価値の追求、顧客にとって真に必要な機能・ソリューションの強化を図っていく考えである。
「省エネ化」「省力化」を提供する機能商社
建材、産業資材、電子・デバイス事業を展開。ターゲット市場における顧客価値の追求を重視し、顧客にとって真に必要な機能・ソリューションを提供することで高付加価値を創出している。
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