「事業を通じた社会貢献」使命に
時代ごとの要請に応え続けた歴史
高島は、建材事業を中心に、産業資材事業、電子・デバイス事業を展開する商社である。創業100年超の老舗商社だが、時代の変遷に合わせて事業領域は拡大・進化を遂げてきた。背景には「事業を通じて社会に貢献する」という企業使命のもと、社会の要請に応え続けてきた歴史がある。
同社の歴史を紐解くと、「繊維専門商社」「脱繊維・多角化」「サステナの先進商社」と3つの時代に分けることができる。
創業の1915年から40年代までが「繊維専門商社」の時代にあたる。繊維業は戦前の主要輸出物であり、国内経済を支える重要な産業であった。同社では主に重布などの繊維製品を販売。49年には東証一部へ上場した。
戦後復興が進む50年代以降は「事業の多角化」を推進。高度経済成長による建築ラッシュや、マイホーム購入ブームに応えるように、建材や物流資材の取り扱いを開始した。60年には非繊維50%を目標に掲げ、繊維専門商社からの脱却を宣言。次世代の電化製品が次々と誕生した70年代には、電子・デバイス事業を開始した。大量生産・大量消費から高付加価値製品へと世の中のニーズが変わる中、産業構造の変化に合わせ、同社も高付加価値路線へと転換。95年には時代に先駆けて太陽光事業に着手し、のちに「サステナの先進商社」への道を歩むきっかけとなった。
サステナの先進商社
1915年の創業から100年超。繊維商社を起源に、多角的専門商社、サステナの先進商社へと変遷を遂げてきた。現在は、建材、産業資材、電子・デバイス事業を展開。断熱資材や再生可能エネルギー資材など、省エネ化・省力化に関わる製品を多く扱っている。
2000年代以降は環境問題への世の中の意識の高まりを受け、次の成長領域を「サステナビリティ」に定めた。09年には中期経営計画「サステナ11」が始動。以降、現在進行中の「サステナV(バリュー)」(24年~26年3月期)に至るまで、全ての中計でサステナビリティを基本方針に掲げる。長年扱ってきた再生可能エネルギー資材や断熱資材に加え、物流倉庫の省エネ化・省力化に貢献する製品など、多くのサステナ製品で社会課題解決に貢献している。
「省エネ化・省力化という社会ニーズに応えていくために、ビジネスモデルの進化そして深化を進めています。当社では単なる中間流通市場の担い手にとどまらず、お客さまのニーズを汲み取り、真に高付加価値な機能・ソリューションを提供することで収益性を高める取り組みを続けてきました。現在戦略的に投資を行っており、30年を目標にグループとしての提供価値を更に高めてまいります」(高島幸一社長)
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