ラベル貼付など製造工程巡回 ガイド役の社員が丁寧に説明
当日は14名が参加した。会場となったのは、同社グループ合同酒精の主力工場である東京工場(千葉県松戸市)。同工場では焼酎、チューハイ等を生産するオエノングループの主力工場。東日本エリアの配送拠点である関東物流センターも併設する。
同工場の設立は1963年10月、都内の3工場(吾妻橋洋酒工場、東京工場、芝浦工場)を集約し建設された。敷地面積は6万6600㎡(約2万坪)で東京ドーム約1・4個分に相当する。1日の生産量は、約400キロリットル(一升瓶換算約22万本)。製造品目は、焼酎、チューハイ、みりん・調味料、梅酒、リキュール、製菓用洋酒等約900アイテム。
工場機能はブレンドおよびボトリング基幹工場で11ラインを有する。多種容器に対応し、ガラス壜は180ml~1・8L、紙パック500ml~2L、PET200ml~5L、缶250、350、500ml、バッグインボックス10L~20L。
東京工場は環境問題への取り組みにも注力。温室効果ガス排出量の削減のため、「太陽光発電システムの設置」、「グリーン電力の購買」の2点を行っている。
当日は参加者14名が2班に分かれ、敷地内にある製造工程やアルコール受入場などを見学した。製造ラインでは、グループ製品の充填やラベル貼付工程、箱詰め工程などをめぐり、ガイド役の同社社員がその都度丁寧に説明し、参加者は熱心に聞き入っていた。
また、工場見学と並行して、会議室では同社の主力事業の一つである「酵素医薬品事業」の製品、GODO―YNL(乳糖分解酵素=ラクターゼ)に関する解説を行った。
同社は、酒類事業を通じて長年培ってきた発酵技術と免疫反応を利用した技術をコアテクノロジーとして、酵素・診断薬などを製造・販売している他、さまざまな微生物の発酵受託を展開している。
その一つであるGODO―YNLは、「乳糖不耐改善を目的とした乳糖分解乳飲料の製造」「カフェオレ等の乳飲料の甘味向上」「発酵乳の酸味低減、食感改良、発酵時間短縮」などの用途に用いられている。
多くの質問に対し 一つ一つに回答
引き続き西永社長が事業概要や直近の業績を説明した。
参加者からの質疑応答では、「為替のレートはいくらが適正と考えているのか」、「ウィスキーの原料は以前と変えているのか」、「原材料の値上げで価格転嫁するタイミングは」、「公式SNSの活用について」、「円安の中、輸出品として力を入れている品目は」、「販路の開拓について」「配当性向について」などが寄せられた。西永社長はこうした多くの質問に対し、時間いっぱいまで回答した。
「社長と語る会」は同社グループ所有の牛久シャトーや、東京工場などの施設見学のほか、西永社長による業績報告、グループの酒製品を試飲しながらの質疑応答など、同社グループの活動について、より一層理解を深めてもらおうというイベント。2016年より定期的に開催している。
同社グループは株主に対する利益還元を最重要政策の一つとして位置づけている。配当は同社の業績、中長期的な収益状況、設備投資計画、適正な内部留保、配当性向などを総合的に勘案しながら、継続的・安定的な配当を行い、かつ中長期的には配当金を漸増させていくことを基本方針としている。2024年は創業100周年を記念し、12月期の期末配当にて、1株当たり2円の記念配当を実施する。一方株主優待は、毎年12月31日を基準として10単元(1000株)以上の保有者に対し、次のいずれか1つを提供する。
① 株主限定のオリジナル商品
※特製非売品
② 社会貢献活動団体への寄付
※2025年以降は制度変更(拡充)