「TKP×大手企業」でみる空間再生流通事業の拡大戦略 ティーケーピー 【3479・グロース市場】

不動産賃貸大手と新サービスを創造へ
相互関連企業含めてシナジー効果期待

空間シェアリングビジネスを展開しているティーケーピー(TKP)は、2026年2月期を最終年度とする中期経営計画で、「M&Aを活用しながらハードとソフトの領域を拡張し獲得市場を拡大」を打ち出している。同社はその一環として不動産賃貸管理大手APAMANと業務提携契約を提携、新たなサービスの創出を目指している。

「TKP博多口カンファレンスセンター」
共同運営をスタート

2024年10月1日、両社の業務提携第1弾として、福岡県博多区に「TKP博多口カンファレンスセンター」をオープンさせた。両社は同施設を共同で運営する。
総契約面積は752㎡(227坪)、全4室のホール・会議室を設けており、会議や研修、セミナー、懇親会等あらゆるビジネスシーンでの利用を見込んでいる。同ビル1階にある、コワーキングスペース「fabbit」とも連携を行い、貸会議室とコワーキングスペースが融合する施設を目指す。これにより、個人から企業まで幅広いニーズに応えることができ、利用者の目的に合わせた最適な環境を提供していく。


TKP博多口カンファレンスセンター

2024年9月に締結
APAMANはMBO

TKPがAPAMANと業務提携を締結したのは、2024年8月。APAMANは当時東証プライム上場企業だったが、9月にMBOにより上場廃止になっている。

業務提携の主な内容は、
・会議室・ホテル等の物件情報の連携
・APAMANグループが運営するコワーキングスペース事業への共同出店、共同運営など
・法人顧客の相互送客
・相互のサービスを活用した不動産オーナー向けサービスの開発
・APAMANグループが運営する体験型福利厚生サービスをTKPの法人顧客向けに展開
・APAMANグループが運営する商業施設「あるあるCity」で実施されるイベントをTKP施設と連携
・TKP、APAMAN、リリカラによるAPAMAN管理物件を活用した社宅や民泊などのサービス開発
・APAMAN管理物件の入退去時におけるリリカラ商材の使用斡旋

また、TKPは11月8日、取締役会にてAPAMANとシステムソフトが行う「fabbit事業」のうち、レンタルオフィス、コワーキングスペース、バーチャルオフィス、会議室、イベントスペース及びフランチャイズの各事業を承継することについて協議を開始するにあたり、基本合意書を締結することを決議した。

これにより、TKPが保有するサービスに、レンタルオフィス、コワーキングスペース、バーチャルオフィス、会議室、イベントスペース及びフランチャイズの各事業が加わることで、一時的なオフィス需要などへの対応など、大企業から中小企業、スタートアップ企業までの全ての企業の経済活動を様々な形でサポートしていきたいという。

両社は今後も提携によって、APAMANなどの出資先企業のグループ企業も含めて、新たなサービスを生み出すべく、検討・協議を進めていく計画だ。

APAMANは、30社以上のグループを統括しており、賃貸斡旋や賃貸管理、社宅、これらに関連するサービスの提供、FC加盟店に対するクラウドシステムや、ITサービスのシステムの提供を主軸として、パーキングやコワーキングスペース、不動産賃貸、商業施設の運営管理などの「その他事業」を展開している。

TKPは、「持たざる経営」「強固な事業基盤」「サービスの汎用性」「ブランド力」を事業戦略の強みに、DX戦略や空間サービスコンテンツの拡充等により、既存事業のさらなる強化を図りながら、「再生」をテーマに事業拡大を推進。

常に時代のニーズに合わせた新しい価値を創造することで、さらなる顧客満足の向上と、継続的な成長の実現を目指している。

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