マサル 【1795・スタンダード市場】

「100年選ばれ続ける会社を目指す」をテーマに
総合専門工事会社グループへと進化図る

「相場の福の神」こと藤本氏が成長企業の社長にインタビューし、その会社の成長の秘密と今後の成長戦略を聞き出す「相場の福の神 藤本誠之の会社探訪」。今回はマサルの勝又健代表取締役社長に話を伺います。

代表プロフィール
勝又 健(かつまた けん)
社長
1992年8月同社入社。2015年12月取締役、16年12月第1営業部長 兼 たてもの改装部担当 兼 経営戦略室長、17年6月たてもの改装部担当 兼 経営戦略室長、18年11月社長室長 兼 経営企画室長 兼 経営戦略室長 兼 たてもの改装部担当。同年12月塩谷商会(現マサルファシリティーズ)取締役、20年12月代表取締役社長(現任)、21年9月マサルファシリティーズ 常務取締役(現任)、24年4月空気設備工業 監査役就任(現任)。
※著者プロフィールは後述

同社は東証スタンダードに上場していて、東京都江東区に本社があります。ビル・マンションの外壁防水工事を主力とする老舗の建設会社です。

日本は世界有数の多雨国で、さらに地震が頻発する厳しい環境でもあります。安全で快適な建物を守るために欠かせないのが防水技術。その分野で半世紀以上にわたり業界をリードしてきたのが、マサルです。同社は、シーリング防水やメンブレン防水、リニューアル事業を柱とする総合防水企業です。創業以来、大型プロジェクトや超高層ビルを中心に数々の防水工事を手がけ、都内の高層ビルの7割以上に関与する実績があり、約800名の熟練技能スタッフを擁し、蓄積されたノウハウと高度な技術力を武器に、業界を牽引しています。

シーリング防水のトップ企業

──御社のメインビジネスを教えてください
勝又社長(以下勝又) 当社は、ビルやマンションの外壁防水工事、特にシーリング工事を主力としています。シーリングとは、建物の外壁パネルの継ぎ目に特殊な材料を充填して水密性を保つ工事です。昭和43年の霞が関ビルディング施工を皮切りに、都内の高層ビルの7割程度のシーリング工事実績があります。

改修工事にも強み

勝又 新築工事だけでなく、既存建物の改修工事も手掛けています。建物は10~15年で外壁の補修が必要になりますので、新築時の施工実績を活かして改修工事も提案しています。最近は改修工事の比率が増えており、売上の半分程度を占めています。

技術力の高さ

勝又 当社の強みは、高度な技術力です。特に超高層ビルの施工では、建築家やゼネコンと一緒に、最適な防水方法を検討・提案できる技術力があります。また、新築工事で培った技術を改修工事にも活かせることも強みです。

設計提案から施工までの強み
独自開発の工法と品質基準

マサルのシーリング事業は、都内の約7割の超高層ビルで施工実績を持つ高い技術力と提案力が強みです。建物の耐久性や快適性を確保するため、目地設計や外壁との接着力確認、劣化時の水密性保持などを考慮し、設計段階からゼネコンや設計者に技術提案を行います。こうした取り組みから特許を取得した独自工法も生まれています。

また、ガラス突き合わせ目地のシーリング工法(特許取得済み)を自社開発し、美観と施工効率を向上。また、シーリング材の品質向上だけでなく、均等で美しい施工を重視し、独自の品質検査基準を確立。特許出願済みの「シール厚検査器」により、美観を損なわずに確実な検査を可能としています。

 

 

 

今後の成長戦略

──今後の成長戦略を教えてください。
勝又 改修工事の拡大に注力していきます。日本の建築ストックが増えており、定期的な改修需要が見込めます。また、建物診断から改修計画の提案まで一貫したサービスを提供し、“建物のかかりつけ医”として顧客との長期的な関係構築を目指しています。さらに、空調設備工事など、周辺事業への展開も進めています。

更に、既にM&Aで空調設備工事事業や機械設置工事事業にも進出しており、建築資材商社事業などにも積極的に取り組んでいます。目指す姿は、総合専門工事会社グループです。

●著者プロフィール 藤本誠之

「相場の福の神」の愛称を持つマーケットアナリスト。年間300社を超える上場企業経営者とのミーティングを行い、個人投資家に真の成長企業を紹介。ラジオNIKKEIで6本の看板番組。マネックス証券、SBI証券などを経て、現在は、財産ネット株式会社の企業調査部長。日本証券アナリスト協会検定会員、ITストラテジストAll About株式ガイド。

 

 

 

 

 

 

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