1997年システム開発祖業
2013年のM&Aが転機
ディ・アイ・システム(D・I・System)という社名の由来は、Dreams Infinity Systemの略で、「無限の夢を創造する」との思いが込められている。「無限の夢を語り、現実のものとしていく」、それを提供することが同社の普遍的価値観だ。
同社は1997年、システム関連会社で複数の役員経験を持つ長田光博氏(現会長)が、資本金300万円で立ち上げたシステム開発が祖業だ。将来の上場をモチベーションに、技術・開発力を武器として同社は愚直に実績を積んできた。これにより顧客との信頼を獲得。ネットワーク関係の仕事から、セキュリティ関係、そして教育、と事業を徐々に横展開していった。
2009年にヘラクレス(当時)上場寸前までいったが、折しもリーマンショックが直撃。業績が悪化したこともあり止む無く上場を断念。長田氏はその時、これまで掲げていた上場の旗を降ろそうか迷ったというが、自らはもちろん、社員のモチベーションを維持するために、旗を下ろさずに続けてきた。
以降、増収増益を続けてきた同社は、大きな一手を打つ。2013年5月、IT教育に特化したアスリーブレインズを子会社化したのだ。これが同社にとって一つの転機となった。以前も同社は自前でIT研修関連のサービスを少しずつ展開していたが、この初めてのM&Aにより、事業領域はさらに拡大したのだった。
同社にとって教育サービスの売上高は、現在でも全売上高比率としては1割程度ではあるが、社員の採用・育成に大きく貢献している。エンジニア不足が叫ばれている中、同社ではこの5年間で平均53人の新卒を採用。エンジニアを自ら育成することができることとなったからだ。事業自体もまた、順調に売上高を拡大している。
2018年、挫折乗り越え
念願の上場を果たす
2018年10月、同社は晴れて東京証券取引所JASDAQ(当時)市場に株式上場を果たした。上場したことで新規案件、元請け案件の獲得に大きく貢献。問い合わせ件数も増加し、上場後のCAGRは12・1%となっている。
上場後も増収を続けてきた同社は、東証の市場再編に伴い、2022年4月にスタンダード市場に移行。同年7月には、ウイーズ・システムズの株式を取得した。これは同社にとって3件目のM&Aとなった。金融系に強みのあるセキュリティ製品(WEEDS Trace)を獲得したことで、更に業域を拡大したのだった。
IoTやロボット、自動運転などSIビジネスの領域は、ますます拡大、高度化することが予想されている。同社では今後も、これまで培ってきたソフトウェア・ネットワーク・セキュリティ技術全て対応できるエンジニアを育て、企業の課題解決を実現する技術者集団として、更なる成長を目指している。