トレーディングカードゲーム(TCG)企画開発 ブシロード 【7803・グロース市場】

「IPディベロッパー戦略」でエンタメ領域横展開
グローバルで顧客開拓、27年に売上高1000億円へ

ブシロードは、知的財産(IP)ビジネスを軸にトレーディングカードゲーム(TCG)、アニメ、コミック、音楽、グッズ、デジタルゲーム、プロレスなどをメディアミックスで展開するエンターテイメント企業だ。2007年の創業以来、「ヴァイスシュヴァルツ」「カードファイト!! ヴァンガード」などのTCGをリリースし、成長を遂げてきた。23年6月期の売上高は前年比16.3%増の487億9900万円、営業利益は同0.1%減の33億8500万円。今後さらにグローバル規模で顧客開拓を図り、27年6月期には売上高1000億円、営業利益133億円を目指す。
ブシロード-木谷 高明

木谷 高明(きだに たかあき)

社長

1960年、石川県生まれ。武蔵大学経済学部卒業。84年山一證券入社。94年にブロッコリーを設立し、2001年JASDAQに上場。07年ブシロードを設立し、代表取締役社長に就任。17年に現場指揮のために取締役。19年マザーズに上場し、その後20年に代表取締役会長に就任。22年から再び代表取締役社長に就任し、コンテンツ開発の最前線に立つ(現任)。

23年TCGユニットは過去最高売上
世界市場は4000~6000億円

同社のセグメントは「エンターテイメント事業」と「スポーツ事業」の2つ。エンターテイメント事業は、TCGの企画開発・販売を行う「TCGユニット」や、モバイルゲームやコンソールゲームの「デジタルコンテンツユニット」など全5つのユニットで構成する。またスポーツ事業では「新日本プロレス」や女子プロレス「スターダム」の運営、健康食玩事業の展開をしている。

同社はTCGの企画開発をメインとしながら、アニメやコミック、音楽、グッズ、デジタルゲームなど様々なジャンルに横展開させる、「IPディベロッパー戦略」を貫いている。各IPのブランド力が強まるにつれ、各ユニットの売上が牽引されるという構造だ。

2023年6月期の売上高は前年比16・3%増の487億9900万円、営業利益は同0・1%減の33億8500万円。特にTCGユニットは同48・2%増と大幅な増収で過去最高売上に達した。
「ユニット別で見て、利益率・金額ともに最も大きいのが当社の祖業でもあるTCGユニットです。また、グローバル化が最も進んでいるのもTCGユニットであり、TCGの売上の4割以上は海外です。TCG業界の市場規模は全世界で4000億~6000億円と言われている中、当社のシェアは5番目ほどに位置していると考えております」(木谷高明社長)

国内のほか北米・アジア諸国など世界中を常に回ってイベント・講習会を開催し、TCGを普及させている。

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