日本BS放送 【・スタンダード市場】

「BS11(イレブン)」運営する独立系放送局
配信・アニメ関連の非放送分野を収益化へ

日本BS放送は、無料BSデジタル放送「BS11(ビーエス・イレブン)」を運営する独立系の放送局。昨年開局15周年を迎えた後発の放送局ながら、営業利益率は19%以上と業界水準を上回る。シニア層をメインターゲットにした番組制作及び編成で、コアな視聴者層を獲得している。2023年8月期は増収減益予想。配信ビジネスやアニメ関連事業など非放送分野での収益化を強化している
日本BS放送-近藤 和行

近藤 和行(こんどう かずゆき)

代表取締役社長

1962年2月、兵庫県出身。84年読売新聞社(現読売新聞東京本社)入社。2016年同社論説委員兼編集委員。20年札幌テレビ放送取締役報道局・コンプライアンス推進室担当。21年読売新聞東京本社メディア局総務。21年日本BS放送顧問。11月代表取締役社長兼COO。22年代表取締役社長(現任)。

属性に応じた番組編成
通販番組でコスト抑制

日本BS放送は、1999年にビッグカメラを筆頭株主に設立された。無料BS放送局のなかでも地上波キー局に属さない独立系の放送局だ。2022年8月期の連結売上高は、122億5000万円(前期比2%増)、営業利益23億9400万円(同10 ・3%減)。

主な収益源は放送収入で、売上の約70%がタイム収入、約26%がスポット収入だ。タイム収入とは、番組枠の販売と、番組提供スポンサーに番組内のCM枠を販売して得た収入のこと。スポット収入とは、番組にとらわれずに、CMを放送する時間枠を販売し収入を得ること。まだ売上規模は小さいが、アニメ作品の出資配当やネット配信、自社ECサイトなどを含む、その他収入もある。
「BS11」では、ドラマ、アニメ、競馬中継、ショッピングの4ジャンルが収益に大きく貢献している。特徴は、曜日・時間帯毎に、ターゲット区分でゾーニングした番組編成だ。例えば、平日昼間はF3、F4(50歳以上の女性)層向けのドラマゾーン。土日昼間はM3、M4(50歳以上の男性)層向けの競馬ゾーン。夜11時〜深夜はTEEN〜M3(10代男女〜50代男性)層向けのアニメゾーンなど。

ドラマの時間帯に合わせて、通販番組を放送していることも特徴の一つ。視聴者層が重なる通販番組とドラマを近接させることによって、宣伝効果の最大化を狙っている。
「当社は後発局のため通販番組の比率がどうしても高い。ですがショッピング番組は原則、通販会社が制作するので、純粋な自社制作番組が地上波系局に比べ少ない分、結果的にコスト抑制になっています」(近藤和行社長)

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