通信工事大手 ミライト・ワン 【1417・プライム市場】

「超・通建」・総合インフラマネジメント会社に転換
西武建設と国際航業のM&Aで構造改革が加速

ミライト・ワンは創業から80年近くにわたり、通信インフラ建設(通建)を中心に事業展開してきた。同社では近年、従来の通建事業を超越する「超・通建」というテーマのもと、電気・土木建設なども手掛ける総合インフラマネジメント会社への転換を進めている。2022年にゼネコンの西武建設、23年に建設コンサルの国際航業をそれぞれM&A。サブコン領域にいた同社グループに、上流工程を担う2社が加わったことで、事業構造改革が一気に加速している。
ミライト・ワン-中山 俊樹

中山 俊樹(なかやま としき)

社長

1958年1月生まれ、千葉県出身。81年東京大学法学部卒業、同年日本電信電話公社(NTT)入社。2012年エヌ・ティ・ティ・ドコモ(現:NTTドコモ)執行役員フロンティアサービス部長、16年同社代表取締役副社長を経て、18年ミライト・ホールディングス代表取締役副社長、20年同社代表取締役社長に就任。22年ミライト・ワン代表取締役社長就任(現任)。

売上高比率は通信インフラ45%・非通信55%
「みらいドメイン」が成長分野

同社は、通信インフラ建設を主体とした「通信基盤ドメイン」(NTT事業、マルチキャリア事業)と、非通信の「企業/環境社会基盤ドメイン」(環境・社会イノベーション事業、ICTソリューション事業)の2セグメント(4事業区分)で事業展開している。近年は、経営資源を集中させて強化している成長分野を「みらいドメイン」と位置づけており、街づくり・里づくり/企業DX・GX、グリーンエネルギー事業、ソフトウェア事業、グローバル事業に注力している。


2024年3月期の売上高は5183億8400万円、営業利益は178億3000万円。「通信基盤ドメイン」の売上高比率は10年度には72%だったが、45%へ低下した。一方、同28%だった「企業/環境社会基盤ドメイン」は同55%まで伸長した。また「みらいドメイン」の売上高比率は35%となった。

 

8期連続、過去最高売上に

25年3月期は、売上高が8期連続の過去最高となる5700億円(前期比10・0%増)、営業利益が3期ぶりの増益となる270億円(同51・4%増)を見込んでいる。また「企業/環境社会基盤ドメイン」の売上高比率は62%まで拡大する計画だ。


「当社では通信インフラ建設の枠を越え、新エネルギー、データセンター、道路、鉄道、上下水道など、ナショナルインフラ全てを創り守る『フルバリュー型モデル』を目指しています。社会インフラの会社がそれぞれの領域に分かれているため、総合的に仕掛けられる会社がいないことが街づくりの弱点になっていると私は考えます。

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