積水グループの中核企業 積水樹脂 【4212・プライム市場】

「安全」「まちづくり」のソリューション製品を展開
人財投資を推進、27年3月期売上高840億円へ

積水樹脂は2024年11月に創立70周年を迎える化学メーカーだ。交通安全資材や防音壁材、外構製品、グラウンド用人工芝などを公共及び民間の分野に幅広く製品を提供。22年度から馬場浩志氏が社長兼CEOに就任して新経営体制がスタートし、戦略投資と人財投資を推進する。中期経営計画では27年3月期に売上高840億円、営業利益85億円を目指す。
積水樹脂-馬場 浩志

馬場 浩志(ばば ひろし)

社長

1963年5月生まれ、大阪府出身。87年同志社大学工学部卒、積水樹脂入社。2009年取締役、15年代表取締役副社長(兼)副社長執行役員、16年代表取締役社長(兼)COO(兼)社長執行役員に就任。22年代表取締役社長(兼)CEO(兼)社長執行役員に就任(現任)。

交通安全、防災・減災、
国土強靭化を軸に注力

同社は公共と民間の2分野で幅広く製品を提供している。

公共分野では、都市環境関連、交通・標識関連、景観関連、スポーツ施設関連、関連グループ会社の各事業を展開。安心・安全で美しい道づくりやまちづくりに貢献する各種資材を提供する。

都市環境関連事業では、高速道路や新幹線軌道などの防音壁材を手掛ける。

交通・標識関連事業では、路面標示材、道路標識、交通安全資材などを展開する。車線境界をドライバーに分かりやすく示す「車線分離標(ポールコーン)」や、自転車道や通学路などを標示する「標示材」が代表的な製品だ。

「昨年度から、本格的に採用されている横断者注意喚起灯の『ゆずるくん』は、信号機のない横断歩道で、子供や高齢者が車にはねられるという痛ましい事故を防止する目的で開発しました。横断者がセンサーに手をかざすと検知し、標識上部の注意喚起灯が点灯して、ドライバーに注意喚起を促します」(馬場浩志社長)

景観関連事業では、防護柵、車止めなど、まちづくり製品を提供する。スポーツ施設関連事業では、グラウンド用人工芝などを展開する。


▲横断者注意喚起灯の「ゆずるくん」

民間分野では、住建関連、総物(総合物流)・アグリ関連、関連グループ会社の各事業を展開する。

住建関連事業では、メッシュフェンス、めかくし塀、防音めかくし塀などを提供する。

「外構製品では、防音機能のあるフェンスが工場・商業施設や幼稚園・保育園周辺への騒音に対するソリューションとして、めかくし塀が学校やマンションなどでプライバシーを保護する目的で、需要が増えています」(同氏)

総物・アグリ関連では、梱包結束用バンド・フィルム、包装用機械、農業資材などを手掛ける。梱包用バンドのPPバンドは、100%再生原料によるリサイクルバンドの提案を強化している。また、ハウス栽培などに使われる農業用支柱も展開する。

「積水樹脂というと、社名から樹脂メーカーと思われがちですが、公共から民間まで幅広い分野で事業展開しています。交通安全、防災・減災、国土強靭化を軸に、社会課題に対するソリューションの提供に注力しています」(同氏)

2024年3月期の売上高は627億9000万円、営業利益は62億9800万円。公共分野は売上高287億2900万円。民間分野は売上高340億6000万円となった。

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