「自動包あん機」や「製パンライン」が主力 レオン自動機 【6272・プライム市場】

「包む」食品機械製造でグローバル展開
年商377億円、世界129の国・地域に輸出

年商377億300万円(2024年3月期)のレオン自動機は、栃木県宇都宮市発のグローバル食品機械メーカーだ。饅頭など生地でタネを包み作られる食品の製造は、手作業で重労働とされていたが、同社の機械を用いることで製造効率が高められた。創業者の林虎彦氏が「レオロジー(流動学)」に出会い、独自技術を確立。現在の主力シリーズである「自動包あん機」や「製パンライン」の開発につなげた。同社の機械は129の国と地域に展開され、世界の食文化に貢献。今後は新たな需要創出に努めるほか、汎用性の高い機械を開発し、営業利益率13%という高利益体質の持続と強化を目指す。
レオン自動機-小林 幹央

小林 幹央(こばやし みきお)

社長

1955年2月生まれ、埼玉県出身。77年明治大学法学部を卒業後、レオン自動機入社。2015年取締役兼執行役員、19年取締役常務執行役員、20年取締役専務執行役員。21年代表取締役社長に就任(現任)。

和菓子やパンなど食品の製造で幅広く活用
月餅、ピロシキなど各国料理にも

スーパーマーケットの食品売り場には、饅頭や大福などの和菓子をはじめ、菓子パンや総菜パン、中華まんやシューマイ、さらには総菜のコロッケやメンチカツなど様々な食品が並んでいる。これらは生地で中身のタネを「包む」食品である。レオン自動機が手掛ける機械では、こうした「包む」食品全般を製造することができる。

同社は、饅頭のあんを皮で包む「自動包あん機」を世界で初めて開発した。現在、「包あん機」などの食品成形機と、パン生地をシート状に成形してクロワッサンやペストリーなどを作る「製パンライン」の大きく2分野の機械を提供する。また、製パンラインを使った工場を米国で運営し、自ら食品製造も行っている。

2024年3月期連結業績は、売上高が377億300万円、営業利益が48億8300万円。売上構成比は、「食品加工機械製造販売事業」が60%、「食品製造販売事業」が40%を占める(下部グラフ参照)。

「食品加工機械製造販売事業」は、包あん機などの食品成形機や製パンラインなどを製造販売する事業であり、24年3月期における同事業売上高は226億800万円。機械別でみると、「食品成形機(包あん機等)」が31%、「製パンライン等(自動化ライン等)」が40%、残りを「修理その他」や「レベントオーブン(焼き上げ機)」が占める(下部グラフ参照)。

主な顧客は、包あん機では大手菓子メーカーや老舗菓子メーカー、コンビニベンダーやスーパーなど。また製パンラインでは大手パンメーカー、ベーカリーショップ、コンビニ、スーパーなど多岐にわたる。地域別の売上構成比は、日本が52%、ヨーロッパが20%、北米・南米が18%、アジアが10%であり、海外売上高が半分近くを占める(下部グラフ参照)。

一方、「食品製造販売事業」の売上高は150億9400万円(上部グラフ参照)。同事業は、同社の米国カリフォルニア州の現地法人「オレンジベーカリー」がけん引し、同事業売上高の9割近くを稼ぐ。このほか、日本国内でも子会社の「ホシノ天然酵母パン種」を展開する。

同社の包あん技術を活用した食品成形機は、今や世界129の国と地域に輸出され、各地の伝統料理や民族食の自動生産を支えている。中国の月餅、ロシアのピロシキ、ドイツのクノーデルなどがその例だ。こうした世界中の「包む」食品の製造を効率化できているのは、創業者の林虎彦氏が生涯をかけて開発したものによる。

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