ミクロン精密 【6159・スタンダード市場】

「丸く削る」研削盤で国内シェア4割研究開発を通じて商圏と用途を拡大

ミクロン精密(6159)は、丸い物を「より丸く削る」研削盤のメーカー。加工物の周りを丸く削る「センタレスグラインダ」と、加工物の内側を丸く削る「インターナルグラインダ」の2種類を展開。特にセンタレスグラインダは国内シェア4割を誇る。近年は、自動車の電動化を見据え、電動車向け研削盤を開発。医療など、新業種に向けた製品開発も進める。
ミクロン精密-榊原 憲二

榊原 憲二(さかきばら けんじ)

社長

1982年、大日本インキ化学工業入社。85年、ミクロン精密入社。88年Micron-U.S.A.副社長、99年同社社長に就任。ミクロン精密取締役、専務取締役などを経て、2009年に同社代表取締役社長就任(現任)

加工物を丸く削る
工作機械を2種類展開

研削盤とは、高速回転させた砥石に加工物を押し当て削る機械のこと。研削盤に平面を削るものや工具を研削するものなど多種あるが、ミクロン精密は「丸く削る」技術に特化した機械メーカーである。

主力製品は2つ。1つ目は円筒形加工物の外周を研削する「センタレスグラインダ(⼼なし研削盤)」。2つの砥石の間に加工物を挟み、1つの砥石を高速回転させて研削・成形する。

2つ目は、円筒加工物の内側を削る「インターナルグラインダ(内面研削盤)」。主軸に固定した加工物の中に高速回転する長細い砥石を入れ、内側を成形する。

納入先の業種は建設機械や工具、家電など様々だが、売上高の6~7割を占める最大市場は自動車業界だ。

「現在の自動車の部品数は約3万点。特に、エンジンには丸いものが多く使われています。センタレス、インターナル両方をトータルでオファーできるのは当社の強み」(榊原憲二社長)

前期(2019年8月期)業績は、売上高は前期比7%増の67億円、営業利益は同4%増の10億円、営業利益率14・8%となった。海外比率は約4割。榊原社長によると、工作機械業界は一般的に「外需7割・内需3割」。「当社の製品は、部品を仕上げる重要な最終工程を担います。他の生産ラインは海外に移しても、最終工程は日本に残すお客さんは多い」
(同氏)

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