売上高3期連続過去最高更新
デシカント除湿機が6割強
西部技研の2023年12月期業績は、売上高が過去最高の287億2500万円、営業利益は42億9800万円となった。
売上高の65%を構成するのが、「デシカント除湿機関連」の売上だ。同製品は食品製造や製薬、発電所といったドライな環境を必要とする場で活用されているが、近年は車載バッテリーなどの電池製造現場で、需要が本格化している。同社はデシカント除湿機のグローバルハイエンド市場において、スウェーデンのムンタース社に次ぐ2位の座にある。
また同25%を構成する「VOC濃縮装置」は、グローバルでトップシェアを獲得している。同製品は揮発性有機化合物を含む排ガスを濃縮する機能があり、近年は半導体の製造現場で需要が急増している。
「両製品ともに、当社のコア技術である『ハニカム構造体』を活用しています。お客様が求めているのは除湿機や濃縮装置というよりも、ドライな環境であり、クリーンな環境です。そこで当社は『ハニカム構造体の効果を最大限に引き出して、お客様に必要な環境を提供』しています。これが創業当時から一貫している当社の事業ドメインです」(隈扶三郎社長)
同社ではあらゆる素材をさまざまなサイズでハニカム(蜂の巣)状に成形し、その素材に吸着剤や脱臭剤を添着・担持する技術に強みを持つ。機能性ハニカムはローター化することで、空気の質をコントロールできる。同社はこのハニカムローターを肝に、部品の製造から空調機器の製造、そして工場のドライルーム・クリーンルーム自体の設計・施工へと事業領域を拡大してきたのである。
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