ディ・アイ・システム 【4421・スタンダード市場】

高品質売りのSI会社、ツートップ制へ
設備・人材投資通じ基盤固め進める

システム開発などを手掛けるディ・アイ・システム(4421)では2019年末、富田健太郎氏が新社長に就任した。長田光博元社長は代表権のある会長となり、ツートップ体制へと刷新。今期からは投資に重点を置く新中期経営計画も走らせており、事業計画・社内体制共に新ステージへと駒を進める。
ディ・アイ・システム-富田 健太郎

富田 健太郎(とみた けんたろう)

社長

東京都出身、明海大卒。2001年ディ・アイ・システム入社。06年に取締役、14年に常務取締役に就任。15年、アスリ―ブレインズ(同社100%子会社)取締役に就任。19年、ディ・アイ・システム代表取 締役社長就任(現任)。

品質の高さでSI事業拡大
高利益率のIT教育事業も

同社は1997年、創業者である長田光博会長がソフトウェア開発をスタートさせたことから始まった。現在ではネットワークの設計構築や運用保守、ITシステム全体の構築まで行うシステムインテグレーション(SI)事業に拡大。NTTコミュニケーションズなど大手企業との長期取引で培われた品質の高さを背景に、売上高は2010年9月期から9期連続で増加している。前期(2019年9月期)は2018年の上場効果で、元請け比率と下請け企業となるビジネスパートナー数が増加したこともあり、売上高・営業利益ともに過去最高を更新した。

前期業績は、売上高が前期比14・9%増の38・6億円、営業利益は同6・9%増の2・4億円。売上高をセグメント別にみると、SI事業が95・3%を占め、残りの4・7%は教育サービス事業となった。

主力のSI事業は、特定の大手取引先を持たないのが特徴だ。取引先別売上高は、最大でもNTTコミュニケーションズの9・2%となっている。同社は、案件を納期や採算性を加味した上で選別受注する。顧客の与信管理を徹底することで、優良顧客と長期に渡り取引する一方、特定企業に頼らない取引先構成を整えている。

「売上高が全体の20%以上を占める取引先は極力作りません。例え景気変動など不測の事態が起きた場合でも、取引先を分散させることで回収リスクの低減を図っています」(富田健太郎社長)

一方の教育サービス事業とは、エンドとなる顧客企業や教育ベンダー企業などに対し、コンピュータ言語やデータベースといったIT研修を提供するもの。売上高比率では全体の5%に満たないものの、利益面では7・2%を占めており、利益率が高い。

「最近では短時間で学習できる『マイクロラーニング』も流行ってきており、同事業の引き合いは確実に増えてきています」(同氏)

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