バリュエンスホールディングス 【9270・グロース市場】

ブランド品買取の急先鋒、売上500億円突破
海外展開・商材多角化進め1000億円へ照準

バリュエンスホールディングス(旧SOU)は、「なんぼや」の屋号でブランド品や骨董品を買取る会社。買取商品を自社オークションですぐ売却し在庫回転率を高めるビジネスモデルで急拡大し、2021年8月期に売上500億円を突破した。近年は成長余地の大きい海外で店舗数を増加。また強みの接客力を生かし、車や住宅など他領域の開拓も進めている。国内盤石化・海外展開の両輪で、25年8月期には売上高1000億円突破を狙う。
バリュエンスホールディングス-嵜本 晋輔

嵜本 晋輔(さきもと しんすけ)

社長

1982年大阪生まれ。2001年、Jリーグのガンバ大阪に入団。04年に現役引退、父親が営むリサイクルショップに入社。04年にMKSコーポレーション(現ニュースタンダード・グローバルオフィス)」設立。11年SOU(現バリュエンスホールディングス)設立、代表取締役社長就任(現任)。

CtoBtoBで急成長

バリュエンスホールディングスの設立は2011年。「なんぼや」などの買取専門店で一般消費者から時計やジュエリー、バッグといったブランド品や貴金属、骨董品・美術品を買取り、それらを卸売するビジネスモデルで急成長を遂げた。18年には株式上場を果たし、直近の21年8月期決算では売上高が過去最高の525億円をマークするなど波に乗る。

急成長の理由1つ目は、「CtoBtoB(消費者→業者→業者)」と呼ばれるビジネスモデルだ。従来の中古品買取業者は、多くが買取品を自社店舗で再販売する「CtoBtoC(消費者→業者→消費者)」となる。

C(消費者)に再販売するメリットは利益率の高さだが、一方で「いつ売れるか分からない」「販管費が嵩む」といったデメリットも孕む。そこでバリュエンスHDは早い段階から、買取品をすぐに自社オークションなどを介して同業他社に販売する卸売り(CtoBtoB)に絞ってきた。

「僕達の商品は性質上、需給のバランスが崩れると、相場も上下します。ならば、一定の値段と量で売れるBに対して都度販売した方が、経営が安定すると考えました。買取・販売どちらも追うのではなく、まず買取に集中した。これが、僕達が後発ながら他社を圧倒するスピードで成長できた理由だと思います」(嵜本晋輔社長)

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