マクアケ 【4479・グロース市場】

サイトで新商品を消費者に先行販売
「作る前に売る」商流革命起こし急成長

新しい商品やサービスを企画の段階でインターネット上に発表、消費者が応援購入という形で先行購入できるサイトを運営するのが、マクアケだ。マザーズ上場からほどなくして、当初のクラウドファンディングからシフトチェンジを図ったことが奏功。いまや、同社のサイトを通じて世に送り出される商品やサービスは年間6000~7000プロジェクトにのぼり、今期の応援購入総額は250億円を記録する勢いだ。
マクアケ-中山 亮太郎

中山 亮太郎(なかやま りょうたろう)

社長

1982年4月生まれ、東京都出身。慶応義塾大学卒業。2006年、サイバーエージェントに入社後、社長アシスタントやメディア事業の立ち上げを担当。10年からはベトナムにベンチャー キャピタリストとして赴任、現地のネット系スタートアップへの投資を実行。13年、日本に帰国後、サイバー エージェント・クラウドファンディング(現・マクアケ)を設立、代表取締役社長に就任(現任)。

「商品と出会えた喜び」を生む
ワクワク感もたらす買い物体験

マクアケの行うビジネスは、事業者と消費者との間を繋ぐインターネットサイト・Makuakeの運営だ。事業者は新しい商品やサービスを企画の段階からMakuake上で公開・先行販売することができ、消費者はそれを先行購入することが可能だ。プロジェクト掲載料は無料で、消費者から集まった額の20%がマクアケに入る。掲載期間は平均2~3カ月程度。集まる金額はプロジェクトにより差があるが、ヒットすれば数億円になることもあるという。

掲載を希望する事業者の各プロジェクトには同社のキュレーターが付き、商品情報の構成や写真などについて細かな助言を行っている。同時に審査法務部門にて実現可能性や違法性がないかなど多角的に審査し、審査を通過したプロジェクトは掲載へと進むことができる。

事業者にとってのメリットは、顧客を獲得してから商品を作って売るという、通常とは逆の商流を作れる点だ。事前に一定の資金を調達でき、具体的な販売数も決まることから、銀行との融資交渉が進めやすい。また、在庫・量産リスクが軽減される点も大きい。

一方、消費者にとってのメリットは、いわば雑誌をめくるような感覚でMakuakeを見て、「自分好みの世の中にない新しいもの」に対し、「出会いのある買い物体験」ができる点だ。この購入体験そのものが、購入者の4人中3人をアクティブなリピーターが占めるという好循環を呼んでいる。

「eコマースの場合、買うものを決めてから検索する『一直線』型が多いと思うが、僕らの場合はどちらかというと『ウィンドウショッピング』に近いユーザー体験を掘り起こしている。(買い物において)『そうそう、こういうものを求めていた』という形でお金を使っていくことは、実は非常に大きな部分を占めているのですが、これまでのインターネット業界は、そういうところを掘り起こせていなかったのではないかと思います」(中山亮太郎社長)

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